MENU

Share

HOME LIFESTYLE STORY COLUMN

「知らないって言ってるだろ!」浮気を問い詰めたら逆ギレして家出した夫。夜、夫からかかってきた情けない言葉とは

知らないって言ってるだろ浮気を問い詰めたら逆ギレして家出した夫夜夫からかかってきた情けない言葉とは

週4の飲み会と隠された電話機

結婚5年目、娘が2歳になった頃の話だ。

商工会青年部と消防団に入っていた夫の飲み会が、週2から週3、ついには週4まで増えていった。

地域の付き合いだと言われれば疑う材料もなく、毎晩のように娘を寝かしつけては深夜まで待ち続けていた。

帰ってきた夫からは煙草と知らない香水の匂いがしたが、消防団の打ち上げだと笑われれば追及する根拠もなかった。

違和感がはっきり輪郭を持ったのは、夫が新しく持ち始めたポケベルだった。

さらにある朝、寝室のタンスの上に古い電話機が一台、こっそり置かれているのを見つけた。

30年前の話で、固定電話しかない時代である。

家族用の電話とは別に、夫専用の回線が密かに引かれていたのだ。

台の影に隠すように置かれた本体には、メモも何もない。けれど受話器を耳に当てると、私の知らない番号が記憶されている気配があった。

娘を寝かしつけた夜、私は震える指でリダイヤルのボタンを押した。

深く息を吐きながら待ったコール音のあと、若い女の声が明るく弾むように響いた。

「スナックKです」

聞き覚えのある声だった。

週末に夫と家族で何度か通ったことのある、近所のスナックのママの娘の声だった。受話器を握る手が冷たくなり、無言のまま電話を切った。

フラれて健康ランドから電話してきた夫

翌朝、私は夫を問い詰めた。

「知らないって言ってるだろ!」

夫はしらを切ったあげく逆上して家を飛び出し、何日も帰ってこなかった。

連絡もない夜が続いた末、私は思い切ってあの店の娘に直接電話をかけた。

最初は警戒していた彼女も、私の名前を出すと声のトーンを落として、ぽつりと打ち明けた。

「ママを残してはいけないと断ったよ」

夫は一緒に家を出ていこうと迫っていたらしい。

彼女は好きだけれど、母を残してまで行くわけにはいかないと断ったのだという。

要するに夫はフラれていた。

週4まで増えた飲み会の正体は、年下のスナック嬢への入れ込みだった。

私は受話器を持ったまま、しばらく動けなかった。

その夜遅く、家に電話が鳴った。

受話器の向こうで夫は妙に小さく、芝居がかった静かな声を出していた。

「今、健康ランドにいる。周りが家族連ればかりだ。やっぱり家族が1番大事だとわかった」

フラれた夜に行き着いた先が健康ランドで、家族連れに囲まれて目が覚めたらしい。

間抜けな話だが、私は奥の部屋で寝ている娘の顔を思い出して、受話器を握り直した。

やり直すと答えた。

30年経った今でも、あの電話機の前で震えた夜のことは忘れない。捨てる選択も確かにあった。それでも残った家庭が、私の出した答えだった。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、60代以上・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

ほかの小説も読む

CHARACTERS

登場人物から探す

THEME

テーマ・シチュエーションから探す

ENDING

結末から探す

最も人気の短編小説

もっと見る >

スカッとする短編小説

もっと見る >

モヤモヤ短編小説

もっと見る >

ゾッとする短編小説

もっと見る >

LINEの短編小説

もっと見る >

実体験をもとにした短編小説

もっと見る >

恋愛トラブル

もっと見る >

ハラスメント

もっと見る >

金銭トラブル

もっと見る >

浮気・不倫

もっと見る >

仕事のトラブル

もっと見る >
ふと心に引っかかった「モヤモヤ」
思わず気持ちが晴れた「スカッと」
思い出しても背筋が凍る「ゾッと」

その感情を、物語にしませんか。
GLAMでは、あなたのリアルな体験エピソードを
お待ちしています。

応募フォームはこちら

PROFILE

GLAM Lifestyle Editorial

編集部

日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。

website
前の記事

「何しに来たの、ご飯なんて出さないわよ」冷たい言葉をぶつけてくる祖母。3ヶ月後、再度訪問した私にぶつけた最悪な言葉

GLAM Lifestyle Editorialのすべての記事を見る

Gallery

SHARE !

この記事をシェアする

Follow us !

GLAM公式SNSをフォローする

Feature

特集記事

Ranking