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「あなたにはあげるね」バス停で私だけ外して舞茸を配り歩いたママ友→チラ見を続けた本当の理由とは

小袋を抱えてバス停に現れた彼女
幼稚園バスのお迎えの時間、いつものメンバーが集まった停留所に彼女はやってきた。
手には半透明の袋がいくつも下がっていて、中には茶色い大ぶりの舞茸が無造作に詰め込まれている。近所の山道の路肩で軽トラを停めて売っていた個人販売のものらしく、ラベルもパッケージもない。生っぽい土の匂いが、すぐ近くまで漂ってきていた。
彼女は集まったママたちの輪に向かって、にこにこしながら声をかけた。
「あなたにはあげるね」
名指しされた一人が袋を受け取り、別のママにもまた一袋、その隣のママにももう一袋と、彼女は順番に手渡していった。
バス停には5人が並んでいて、彼女はそのうち4人にだけ舞茸を配り終えた。私の前まで来ると、一瞬視線が合ったものの、何も言わずにすっと通り過ぎていく。
最後の袋を配り終えると、空になった手提げを軽く振って、わざとらしく中身がないことを見せつけた。
受け取った4人は袋を覗き込み、「立派ね」「これ味噌汁にしたら最高」と口々に喜んでいた。私だけが、何も持たないまま並んだ列の端で立ち尽くす形になった。空気の流れが一瞬止まり、誰も私の方を見ようとしなかった。
こちらをチラ見し続けた違和感の正体
その後の数分間、彼女は他のママと笑いながら世間話を続けていた。
けれど話の合間に、こちらをチラチラと盗み見る視線を感じる。一度や二度ではなかった。喜ぶママたちの感嘆を私に聞かせようとしているのは、もはや誰の目にも明らかだった。
私はあえて視線をそらして、自分の子どものリュックの紐を直すふりをした。動揺している顔を、彼女の前で見せたくなかった。バスの到着まであと数分、その時間がやけに長く感じられた。
私はその場で笑顔を作りながら、自分の中で何が起きているのかを冷静に整理していった。
彼女は配り忘れたのではない。意図的に私を輪から外し、その反応を楽しんでいる。要するに当てつけだったのだ。理由はわからない。
最近のささいな会話が気に障ったのかもしれないし、もっと根の深い感情があったのかもしれない。少なくとも、6年近く同じバス停で立ち話してきた人がする態度ではなかった。
正直、もらわなくて結果的に良かったとも思っている。山で売られていた素性のわからないきのこを口にして万一あたっていたら、と考えるとぞっとした。それでも、あの大人げないチラ見だけは胸に残っている。次に顔を合わせたとき、私がどんな顔をすればいいのかは、まだ決まっていない。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、50代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
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