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「住所が変わっただけで自分の家だと思うな」婚約後に豹変した彼。荷物をまとめた瞬間に走った解放感

同居が始まってから変わった彼
婚約して一緒に住み始めた途端、彼の態度がガラリと変わった。
帰宅すると、玄関のスリッパにマスキングテープが貼られていた。
位置がずれないように、テープで基準を示していたのだ。
洗面台の三面鏡には「指紋をつけるな、触れるな」という貼り紙。洗濯機には「明日洗う」と書いたテープ。
家のあちこちに、細かい管理のルールが張り巡らされていた。
掃除機をかけようとしたら見当たらず、どこにあるか聞くと「傷がつくから」と言って隠していた。
自分のものなのに、自分では使えないものが次々と増えていった。
食費は月15,000円で折り合っていたはずなのに、買い出しのたびにレシートの確認が始まった。
「週3,000円に収めろ」という基準を一方的に設けられ、超えると激怒された。
何を買ったかを一つひとつ確認され、「これは必要だったのか」と問い詰められることもあった。
それでも私は毎晩、20時までに夕飯と味噌汁、副菜を3品そろえていた。
彼が帰れば食卓に並んでいて、座ればすぐ食べられる状態を保っていた。
仕事から帰ってきた彼が不機嫌でも、文句を言わずに用意した。それでも感謝の言葉が返ってきたことは、ほとんどなかった。
「俺がオーナー」が全てを変えた
話し合いの場で、彼から「相手への思いやりがない」と言われた。
驚きで言葉が出なかった。食事を作り、家事を回し、細かいルールに黙って従ってきた自分のどこに思いやりがないのか、理解できなかった。
毎晩20時に食卓を整え、文句も言わずに管理ルールに合わせてきた。それでも「思いやりがない」という言葉が返ってくるのかと、頭がぐるぐるした。
「ここは私の家でもあるはずでしょ」と伝えた。
すると彼はこう言い放った。
「住所が変わっただけで自分の家だと思うな」
続けてこう言った。
「この家は俺が契約してるんだから、好き勝手するな」と。
その言葉を聞いた瞬間、頭の中が静かになった。
帰る場所がない。ここにいても、自分の居場所はない。そう気づいた。婚約して一緒に住んでいるのに、ここは自分の家ではないとはっきり言われた。
それはつまり、私がここにいる理由がないということだった。
荷物をまとめて出た日、ドアを閉めた瞬間、重たいものが体から離れた気がした。あの家で日々積み重なっていたものの正体を、やっと確かめた気がした。マスキングテープの貼られた部屋に、もう戻らなくていい。その実感だけが、背中をまっすぐにさせてくれた。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
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