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「あの人、同じパートなのにずるい」上司に不満を訴える後輩たち。だが、仕事に集中している後輩たちのパソコンの画面を見て、頭を抱えた

口は動くが、手は動かない後輩ふたり
数年前、事務のパートをしていたころのことです。
私はそこに長く勤めていて、気がつけばパートの中でリーダー的な役割を担うようになっていました。
勤続年数が長いぶん時給も少し高めで、その分責任のある業務を任されています。
ところが、同じチームに後から入ってきた後輩がふたりいて、この二人が困った存在でした。
勤務中は私語が多く、口ばかりで手を動かしません。
仕事の進みが遅いぶん、しわ寄せは周囲に来ます。
私が補う場面も一度や二度ではありませんでした。
やがて、ふたりが私を嫌っていることも伝わってきました。
「あの人、同じパートなのにずるい」
そう上司に訴えていると、別の同僚から耳打ちされたこともあります。
時給への不満を私への不満にすり替えて、ぶつけていたのです。
(真面目に働けば評価されるのに)と、私は内心あきれながらも、自分の仕事をこなし続けていました。
上司への訴えがどう扱われたかは知りません。ただ、それ以降もふたりの態度は変わらず、おしゃべりを続けながら私の方へ険しい視線を向けてくるばかりでした。
仕事を手伝ってもらっても、私への向かい方がいつもどこか刺々しい。
それでも辞めるつもりはなかったので、気にしないようにしながら日々を送っていました。
無言でキーボードを叩く姿を見て、背筋が凍った
ある日の昼過ぎ、ふと気がつくとふたりが珍しく静かでした。
いつもはおしゃべりが絶えないのに、その日は声がありません。
それぞれ自分のパソコンに向かって、黙ったままキーボードを打ち続けています。
「珍しく集中してる」
思わずそう感じました。
急ぎの処理があるのかもしれない。今日は仕事が捗りそうだと、私は自分の業務に戻りました。
しかし、トイレに立つふりをして席の近くを通ったとき、ふたりの画面がちらっと目に入りました。
そこには、社内のチャット画面が開いていました。
驚いたのは、その内容でした。画面にずらっと並んでいたのは、私についての悪口でした。
しかもかなりの長文で、言葉を選びながらではなく、思いついたことを次々と打ち込んでいる様子です。
席は隣同士なのに、直接話せばすむことを、チャットで打ち合っていたのです。
背筋がすっと冷えました。
嫌われていることは知っていましたが、ここまでとは思っていなかったのです。
私の名前が出るたびに、ふたりの間でこれだけの文字が飛び交っていたのかと思うと、頭がくらくらするような感覚がありました。
ふたりが見せる普通の顔と、チャットの中に並ぶ言葉の温度差が、じわりと体に染み込んできます。
それほどのタイピング速度があるなら、仕事に使えばいいのにと、苦い気持ちで自席に戻りました。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
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