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「最前列、譲るね」好きなイベントのチケットを譲ると言ってくれた知人。だが、イベント前日に最悪な事実が発覚した

飛び込んできた「最前列」という言葉
好きなミュージカル俳優のイベントチケットを、友人を通じた知人から声をかけてもらったのは、チケット販売が終わってからしばらく経ったころだった。
「最前列、あなたに譲るね」
「もしすでに持ってたら交換でもいいし」
最前列。
その言葉だけで心拍数が上がった。すでに別の席は持っていたが、交換になっても構わないと思った。どちらにせよ、その席で観られるなら。
友人に仲介を頼みながら連絡を取り始めた。
初回のやりとりは丁寧で、話は進んでいるように見えた。
「席の確認ができたら改めて連絡します」という言葉を受け取って、あとは返信を待つだけだと思っていた。
前日まで、何も来なかった
ところが、日が経つにつれて返信が遅くなった。
確認の連絡を入れても、既読がつくのに返事が来ない日が続いた。イベントまで一週間を切り、焦りが積もっていった。
(チケットはどうなっているんだろう)
友人を通じて「どうなってるか聞いてもらえる?」と打診してもらったが、「もう少し待ってみて」という返答があっただけだった。
そのまま日数が減っていき、気づけば前日になっていた。
夜、意を決して「確認して」と催促した。
数時間後、ようやく返信が届いた。
「ほかのファン仲間に渡すことになったから、なしにしてほしい」
それだけだった。
理由も、謝罪らしい言葉も、ほとんどなかった。
手のひらを返された感覚に、しばらく画面を見つめたまま動けなかった。言い返す言葉もなく、既読をつけたまま夜が更けた。
当日、最前列に見えた顔
翌日、別の席でイベントに参加した。楽しみたい気持ちはあったが、胸の奥にはまだくすぶるものが残っていた。
気持ちを切り替えようとしながら、会場に入った。
開演前、席につこうとしたとき、なんとなく視線が最前列に向いた。
そこに、見知った顔があった。
同じ俳優のファンで、なんとなく折り合いが悪く、ファン仲間の知り合いとも繋がっていた人物だった。
思わず絶句した。
「ほかの子に渡す」
あのメッセージの「ほかの子」というのは、この人のことだったのか。
「最前列、譲るね」
耳の奥で、あの言葉が繰り返し再生された。最初から本気ではなかったのだろうか。
それとも後から気が変わったのか。自分より優先された理由も、一言の謝罪もないまま終わったことが、ただただ腑に落ちなかった。
幕が上がってからも、舞台より先にあの前日夜のメッセージが何度も頭をよぎった。モヤモヤは、公演が終わった後もしばらく続いた。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
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