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「そのスプーン、また使うの?」味見したスプーンを何回も鍋に戻す義母→夫に相談したが、返ってきた言葉に力を失った

「そのスプーン、また使うの?」味見したスプーンを何回も鍋に戻す義母→夫に相談したが、返ってきた言葉に力を失った

繰り返す味見の手つき

義母との関係は、端から見れば申し分のないほどだと思う。

食事のたびに声をかけてもらえるし、気さくに笑いかけてくれる義母に、嫁として恵まれていると感じることもある。

実家に近い距離感で話せるのは、夫の家族に慣れてきた今になって、ありがたみとして感じていることでもある。

ただ、一つだけどうしても頭から離れないことがある。

義母が台所で夕飯の支度をするとき、必ずと言っていいほど同じ手順を踏む。

鍋を火にかけ、スープの色を確認し、スプーンを手に取って一口すくい、ゆっくりと口に運ぶ。

そこまではごく普通の光景だ。

問題は、その後だった。

口に入れたスプーンを、そのまま鍋の中へ戻すのだ。

くるくると混ぜ、もう一度口へ。また混ぜ、また口へ。

「もう一口」

義母はつぶやきながら、また同じスプーンを鍋に入れる。

調味料を加えるたびに同じ動作が繰り返される。スプーンを変える素振りは一切ない。

1回だけではなく、3回も4回も続けることがある。

(そのスプーン、また使うの?)

心の中でそう呟いた夜は、一度や二度ではなかった。

気にしすぎなのかもしれない

自分が特別に潔癖だとは思っていない。

外食先でグラスに少し水滴がついていても気にならないし、子どもの頃から共用の食器に抵抗があったわけでもない。

それでもあの場面を目にすると、どこかで体が固まる感覚が出てしまうのだ。

唾液が鍋のスープに広がっていくような想像が頭をよぎると、どうしても箸が止まってしまう。

義母が丹精込めて作ってくれた煮物も、その夜から少しだけ苦くなった気がした。料理そのものはおいしい。

だからこそ、余計に複雑な気持ちになってしまう。

指摘できないのには理由がある。義母はとても穏やかな人で、嫌みを言われたことも、過干渉だと感じたこともない。

そんな関係を壊すような一言を、どう切り出せばいいのか分からない。しかも、義母にとってはおそらく何十年もの習慣なのだ。

夫に打ち明けたこともあった。すると「母さんはずっとそうやってきたんじゃないか」と言われ、それ以上言葉が続かなかった。

話してみたことで少し楽になるかと思ったが、逆にこのまま黙っているしかないという気持ちが強くなった。

衛生への感覚は人それぞれで、どちらが正しいというものでもないのは分かっている。義母に悪意がないことも十分すぎるほど分かっている。それでも、夕飯の匂いがただよいはじめるたびに、小さな憂鬱が胸の隅に湧いてくる。

義母への感謝と、この違和感が、静かに同居している。

「そのスプーン、また使うの?」

その言葉は、今日も声に出せないまま、胸の奥に引っかかり続けている。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。

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