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「え、入籍したの?」親友が結婚した事実を年賀状で知った→毎年届く年賀状を返さなくなったワケ

「え、入籍したの?」親友が結婚した事実を年賀状で知った→毎年届く年賀状を返さなくなったワケ

冷めた元旦

小学生の頃、私たちを繋いでいたのは、目に見えないほど細く、けれど決して切れないと信じていた真っ赤な糸でした。

放課後の公園で伸びる影、夕暮れのチャイム、お互いの家で分け合ったおやつ。

将来の夢も、胸に秘めた淡い恋心も、私たちの間には「秘密」なんて概念すら存在しなかった。

「おばあちゃんになっても、こうしてお茶を飲もうね」

縁側で湯呑みを傾ける未来の自分たちを想像して、私たちは無邪気に笑い合いました。

あの時の言葉に、嘘は一つもなかったはずです。

けれど、大人になるという過程は、無慈悲にも生活の層を厚くし、あんなに頻繁だった連絡の呼び出し音を、いつしか遠ざけていきました。

そんな中、数年ぶりに届いた一通の年賀状。

元旦の澄んだ空気の中、ポストで見つけた彼女の名前を見て、私の胸は久しぶりに高鳴りました。

「あ、久しぶりだ!元気にしてるかな」

期待に胸を躍らせて裏面を返した瞬間、指先から熱が引いていくのを感じました。

そこにいたのは、純白のドレスに身を包み、私の知らない男性と寄り添って、人生で一番の笑顔を浮かべる彼女。

「昨年入籍しました。これからは二人で歩んでいきます」

添えられた一筆は、あまりに簡潔で、完璧な「事後報告」でした。

「おめでたいことなのに、どうしてこんなに喉の奥が熱いんだろう」

祝福の言葉を探す自分と、透明な壁の外側に締め出された寂しさに震える自分。

私だけが、あの放課後の幻影を追いかけていたのだと、突きつけられた瞬間でした。

更新される「幸せ」

それからというもの、彼女からは毎年、欠かさず年賀状が届くようになりました。

「長男が歩けるようになりました!」

「今年は幼稚園の入園式です」

年を追うごとに、写真の中の家族は増え、幸せの彩度は増していく。

すくすくと育つお子さんの姿は、本来なら喜ぶべき成長の記録です。

「元気そうで、本当に良かった。……でも」

最初の数年は、自分を鼓舞するように返事を書いていました。

けれど、ポストの赤い口にハガキを落とすたび、右手が鉛のように重くなる。

今の彼女にとって、私は近況を語り合う「友人」ではない。ただの「整理されていない住所録のリスト」に過ぎないのではないか。

「私たちの時計は、あの教室の中に置いたまま止まっているんだわ」

そう気づいたある年、私はついにペンを置きました。

無理をして、過去の残像を繋ぎ止めるのはもうやめよう。

それは彼女への不義理ではなく、今の自分を救うための、ささやかな抵抗でした。

それから数年が経ちました。

いつの間にか、彼女からの年賀状は届かなくなりました。

元旦のポストに彼女の文字が見当たらないことに、一抹の寂しさを感じなかったと言えば嘘になります。

けれど、それ以上に私の心を占めたのは、長い間背負っていた「義務感」という荷物を下ろした時の、透き通るような軽やかさでした。

形を変え、距離を変え、人は離れていくもの。

50代になった今、あの日々の輝きを「現在進行形の友情」としてではなく、「美しく完結した思い出」として心にしまう。

それが、かつて半身のように過ごした彼女への、私なりの最後の敬意だったのかもしれません。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、50代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

PROFILE

GLAM Lifestyle Editorial

編集部

日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。

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