Share
「泣くな、男だろ!」息子を怒る義父。だが、怯える息子を守った夫の一言

「泣くな、男だろ!」息子を怒る義父。だが、怯える息子を守った夫の一言
麦茶をこぼした息子に、声が飛んだ
息子がまだ幼稚園に通っていた頃の話です。
義実家の居間で、息子がコップの麦茶をこぼしました。慌てて布巾を取りに立った私の背中へ、義父の声が飛んできます。
「男の子なんだから、もっと厳しく育てろ」
「そんな甘い叱り方じゃダメだ。だから、いつまでもめそめそするんだ」
息子は畳の上で身を縮めていました。義父が声を張るたび、私のズボンの裾を握る指に力がこもります。
まだ五歳です、こぼすこともあります、とは言えませんでした。
その日は、夫の前でも同じでした。
「お前の奥さんは子育てが優しすぎる。昔はもっとビシッとやったもんだ」
夫は湯呑みに口をつけたまま、何も言いません。目の前で否定されて、私は膝の上で指を組むしかありませんでした。
聞く耳を持たない義父と、黙り続けた夫
それからも、義父の調子は変わりませんでした。
お正月に親戚が集まった日、息子は輪に入れず、私の後ろへ隠れてしまいます。
従兄弟たちの笑い声が座敷に響くなか、義父はそれを見つけて、部屋中に届く声で言いました。
「泣くな、男だろ!」
息子の肩がびくりと跳ね、目に涙が盛り上がりました。もう、限界でした。
「お義父さん、その言い方はやめてください」
「最近の親は過保護すぎる。だから、こういう子になるんだ」
取りつく島もありません。夫はその場でも、やはり何も言いませんでした。
けれど帰りの車で、夫はぽつりと切り出したのです。
「今日のは、やりすぎだった。ずっと父さんに逆らえないままで、ごめん」
次に義実家へ行った日、義父はまた息子に向かって口を開きかけました。
その前に、夫が立ち上がります。
「父さん。子育ては、俺たちのやり方でやる。口出しは、控えてほしい」
義父の顔から、笑いが消えました。
「…俺は、この子のためを思って言ってるんだ」
「泣くなって怒鳴られて、強くなった子どもがいるのかよ」
義父は言い返そうと身を乗り出し、そのまま止まりました。
二度、口を開いて、二度とも声になりません。やがて新聞を広げ、こちらへ顔を向けないまま黙り込みます。
あれから、義父が息子に強い言葉をぶつけることはなくなりました。この前など、息子が転んで泣いたとき、義父は義母の後ろに下がって、こちらの様子をうかがっていたのです。
「…こういうときは、どうしてやったらいいんだ」
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
ほかの小説も読む
CHARACTERS
登場人物から探す
THEME
テーマ・シチュエーションから探す
ENDING
結末から探す
最も人気の短編小説
もっと見る >スカッとする短編小説
もっと見る >モヤモヤ短編小説
もっと見る >ゾッとする短編小説
もっと見る >LINEの短編小説
もっと見る >実体験をもとにした短編小説
もっと見る >恋愛トラブル
もっと見る >ハラスメント
もっと見る >金銭トラブル
もっと見る >浮気・不倫
もっと見る >迷惑
もっと見る >仕事のトラブル
もっと見る >非常識
もっと見る >LINE誤爆
もっと見る >思わず気持ちが晴れた「スカッと」
思い出しても背筋が凍る「ゾッと」
その感情を、物語にしませんか。
GLAMでは、あなたのリアルな体験エピソードを
お待ちしています。

GLAM Lifestyle Editorial
編集部
日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
Feature
特集記事


