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「ベランダでの電話、誰なの」仕事だと言い張り続けた彼のスマホの通知を見てしまい、別れを決めた夜

夜になると、彼はベランダへ消えた
数年前、当時付き合っていた彼の様子が、ある時期から少しずつ変わっていった。
いちばん最初に気づいたのは、スマホの扱いだった。
それまで無造作にテーブルへ置いていたのに、いつからか肌身離さず持ち歩くようになった。
私が近づくと、そっと画面を消す。
トイレにも風呂にも、必ずスマホを連れていく。その繰り返しだった。
夜になると、決まって彼のスマホが震えた。
「ごめん、仕事の連絡が入った」
そう言って、彼はいつもベランダへ出ていく。
ガラス越しに、背を向けて話す彼の姿だけが見えた。何を話しているのか、こちらには一言も聞こえてこなかった。
「何かあったの?」
「大したことじゃないよ」
そう聞いても、返ってくるのはいつも同じ言葉だった。それ以上は、決して教えてくれない。
「こんな時間に、仕事の電話なんてあるの?」
思いきってそう尋ねた夜もあった。彼は少し黙って、「取引先が忙しい人でさ」と笑ってごまかした。その笑い方が、なぜか胸に引っかかった。
スマホの通知が、すべてを語った夜
ある晩、彼がシャワーを浴びている間のことだった。テーブルに伏せて置かれたスマホの画面が、ふっと明るく光った。
見るつもりはなかった。でも、そこに浮かんだ通知の一文が、目に飛び込んできてしまった。
「また会いたい」
差出人は、知らない女性の名前だった。
シャワーの音が止まり、彼が戻ってくる。
私はスマホを彼の前に置き、できるだけ静かに聞いた。
「ベランダでの電話、誰なの」
彼の顔から、さっと表情が消えた。
しばらく言い淀んだあと、彼は観念したように白状した。半年ほど前から、職場の女性と会っていたのだと。
「でも、別れるつもりはないから」
まるで、それで済むかのような口ぶりだった。
その一言で、私の中の何かが完全に切れた。
取り乱すことも、責め立てることもしなかった。ただ、まっすぐ彼を見て告げた。
「私は、あなたと別れます」
彼は「待てよ」と慌てたけれど、もう遅かった。
荷物をまとめて部屋を出るとき、不思議なほど心は凪いでいた。
何ヶ月もごまかされ続けた時間を思えば、涙も出なかった。
ずっと目を逸らしていた真実に、ようやく決着をつけられたのだ。信じられない相手にしがみつくより、一人で立っているほうがずっといい。
一人になった部屋は静かだったけれど、その静けさは、ずっと欲しかったものだった。そう思えた夜だった。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
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