Share
「うちは夫の年収で十分なの」笑顔でマウントを続けるママ友。だが、裏グループを別のママが咎めた瞬間

笑顔の裏で回るマウント
子どもが同じ幼稚園というだけで集まった、ママ友のグループがあった。
表向きは、いつも和やかだった。けれど、その笑顔の下に小さな棘があることに、私は少しずつ気づいていった。
職場に復帰すると伝えた日のことだ。
「来月から、また働くことにしたの」
私がそう伝えると、中心にいたママがにっこり笑った。
「えらいね、私は夫が稼ぐから働かなくていいけど」
その場が、ほんの一瞬しんとなった。
「うちは夫の年収で十分なの」
笑顔のまま、彼女はそう続けた。まわりのママたちは曖昧に苦笑いを浮かべ、誰も言葉を返さない。
(今のは、私への嫌味だよね)
笑顔で言われると、言い返す隙もない。
私は「そうなんだ、うらやましい」と受け流すしかなかった。
この手のやり取りは、初めてではなかった。持ち物、住まい、子どもの習い事。ことあるごとに、彼女は柔らかい言葉で人と自分を比べては、そっと差をつけていく。
誰も面と向かって逆らわないから、その振る舞いは日ごとにエスカレートしていった。
偶然見えた、裏のやり取り
違和感が確信に変わったのは、あるメッセージのやり取りを偶然目にした時だった。
別のママが見せてくれたスマホの画面に、私の入っていないグループの会話が映り込んでいた。
そこでは、私の家のことや、子どもの習い事のことが、面白おかしく話題にされていた。
指先が、すっと冷たくなった。手が小さく震える。
私だけが外され、知らないところで品定めされていたのだ。
それを見た別のママが、眉をひそめて口を開いた。
「こういうのは、さすがに良くないよ」
本人がいないところで人を笑うのは違う、と彼女ははっきり言った。
中心にいたママは一瞬言葉に詰まり、目を泳がせる。
「……別に、悪気はないよ」
言い返す声は、さっきまでの得意げな響きをすっかり失っていた。すると、別のママが小さくうなずいた。
「私も、前から気になってたの」
ひとりが口を開くと、まわりのママたちも「うん」とうなずき合う。中心にいたママは、逃げ場を失ったように視線を落とした。
「そんなつもりじゃ…」
その呟きは、誰にも拾われずに消えていった。
私は、そのグループから静かに抜けることにした。
「今までありがとう。でも、私はここを離れるね」
距離を置くと決めた瞬間、胸につかえていた重たいものが取れて、呼吸が楽になった。無理に笑って合わせる朝は、もう来ない。
後日、幼稚園で顔を合わせても、あのママは以前のように私を見下してはこなかった。
気まずそうに目を伏せ、小さく会釈するだけ。立場は、いつのまにか静かに入れ替わっていた。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
ほかの小説も読む
CHARACTERS
登場人物から探す
THEME
テーマ・シチュエーションから探す
ENDING
結末から探す
最も人気の短編小説
もっと見る >スカッとする短編小説
もっと見る >モヤモヤ短編小説
もっと見る >ゾッとする短編小説
もっと見る >LINEの短編小説
もっと見る >実体験をもとにした短編小説
もっと見る >恋愛トラブル
もっと見る >ハラスメント
もっと見る >金銭トラブル
もっと見る >浮気・不倫
もっと見る >迷惑
もっと見る >仕事のトラブル
もっと見る >非常識
もっと見る >LINE誤爆
もっと見る >思わず気持ちが晴れた「スカッと」
思い出しても背筋が凍る「ゾッと」
その感情を、物語にしませんか。
GLAMでは、あなたのリアルな体験エピソードを
お待ちしています。

GLAM Lifestyle Editorial
編集部
日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
Feature
特集記事


