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「今日ね、二人で遊園地に行ったんだって」遊園地に誘われなかった母子、10年経っても分からない理由

誘われなかった遠出
娘が小学三年生だった頃の話です。
娘は学童で仲のいい友だちができ、その子の母子とは、家を行き来するほど親しくしていました。
三年生で同じクラスになると、その子のご近所に住む子も加わって、三人でよく遊ぶようになったのです。
母親どうしも顔見知りで、参観日には並んで立ち話をする間柄でした。
私はその関係を、素直にありがたいと思っていました。
ある週末、学校から帰ってきた娘が、ぽつりと言いました。
「今日ね、二人で遊園地に行ったんだって」
娘をのぞく二人が、母子そろって有名なテーマパークへ出かけていたというのです。
うちにだけ、声はかかりませんでした。
「わたしも行きたかったな」
「そうだね。今度みんなで行けるといいね」
そう返しながら、私はうまく笑えませんでした。三人でいつも一緒だったのに、その週末だけ、うちの娘は輪の外に置かれていたのです。
手渡された紙袋
数日後、その親友のお母さんが、玄関先で小さな紙袋を差し出してきました。
「お土産のお菓子、はい二人ぶんね」
「楽しかったみたいで、子どもたち大はしゃぎでね」
にこやかに手渡されたのは、テーマパークの包み紙に入ったお菓子でした。
悪気はなさそうで、いつもと変わらない笑顔だったのです。
「わざわざ、ありがとう。娘も喜ぶわ」
お礼を言って受け取りながら、私の頭の中は疑問でいっぱいでした。喧嘩をしたわけでもありません。
お土産まで買ってきてくれる間柄です。
(どうして、うちには声をかけてくれなかったんだろう)
入園料に困る家だと思われたのでしょうか。座席が足りなかったのなら、現地で待ち合わせよう、と一言くれてもよかったはずです。
思い当たる理由を、私は一つずつ数えてみました。
「今度、うちの子もぜひ誘ってくださいね」
やっとの思いでそう伝えると、お母さんは笑顔でうなずきました。
「もちろん。また声かけるね」
けれど、その誘いが実現することは、ついにありませんでした。
やがて連絡も少しずつ減り、理由を問いただせないまま、私たちの行き来は、自然と途切れていったのです。
あれから10年が過ぎました。娘はもう社会人です。
それでもふとしたとき、あの紙袋のことを思い出すと、胸の奥がざらつきます。
なぜ、うちだけだったのか。答えは、今も分かりません。
ただ、あの一件を引きずってばかりでもありません。娘はその後、心を許せる友だちにちゃんと恵まれました。私自身も、気の置けない相手と長い付き合いを続けています。
分からないことは、分からないままでいい。そう思えるようになった今、あの母子と縁が切れたことを、私は少しも悔やんではいないのです。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、50代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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GLAM Lifestyle Editorial
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日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
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