Share
「毎年の贈り物はやめよう」何年も誕生日プレゼントを贈り合う仲だったママ友。だが、私が見た光景に絶句

「毎年の贈り物はやめよう」何年も誕生日プレゼントを贈り合う仲だったママ友。だが、私が見た光景に絶句
途切れた誕生日の贈り物
子どもの習い事で知り合ったママ友とは、もう何年も誕生日プレゼントを贈り合う仲だった。
毎年、3000円くらいのちょっといい雑貨やお菓子を選び合う。値段を相談したわけでもないのに、自然とその金額に落ち着いていた。
「今年のこれ、すごく可愛い。ありがとう」
「気に入ってもらえてよかった。来年も楽しみにしてるね」
そんなやり取りが、私にはささやかな楽しみだった。
特別に親密というわけではないけれど、年に一度そうやって互いを思い出す時間が、私はわりと気に入っていた。
ところがある年、私の誕生日が過ぎても、彼女からは何もなかった。
「もしかして、忙しかったのかな」
そう思って気にしないようにしたけれど、正直、少し寂しかった。
こちらは例年どおり、彼女の誕生日に贈り物を渡していたからだ。
「今年もおめでとう。これ、よかったら」
私が差し出すと、彼女は「ありがとう、悪いね」と受け取った。
それでも、お返しの話は出てこない。
関係が悪くなったわけではない。ただ、あの贈り合いだけが、理由もわからないまま途切れていた。
別のママに渡していた手
半年ほどたったある日、児童館の前で、偶然その光景を目にした。
彼女が、別のママ友に小さな紙袋を手渡していたのだ。
二人はずいぶん親しげに笑い合っていて、その距離の近さに、私は思わず足を止めた。
「これ、この前のお礼ね。誕生日おめでとう」
楽しげな声が、少し離れた私の耳にも届いた。
渡していたのは、かわいくラッピングされたお菓子のようだった。
ふと目が合うと、彼女は一瞬、見られた、という顔をした。
「あ…こんにちは」
「こんにちは」
私も会釈を返すのが精一杯で、そのまま短い挨拶だけで別れた。
贈り物をやめたのは、忙しさのせいでも、うっかりでもなかった。
ただ、相手が私から別の誰かに変わっただけ。そう気づいてしまうと、胸の奥がしんと静かになった。
あの紙袋のリボンの色や、彼女の弾んだ声が、その日はしばらく頭から消えなかった。
「毎年の贈り物はやめよう」
家に帰って、私はそう心を決めた。
追いかけるように贈り続けても、きっと惨めになるだけだ。
今も、彼女とは一応の付き合いが続いている。
すれ違えば挨拶をするし、世間話もする。
ただ、誕生日の話だけは、どちらからも二度と出てこない。
贈り合わない関係のほうが、案外、気楽なのかもしれない。会釈だけを交わすたび、私はそう自分に言い聞かせている。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
ほかの小説も読む
CHARACTERS
登場人物から探す
THEME
テーマ・シチュエーションから探す
ENDING
結末から探す
最も人気の短編小説
もっと見る >スカッとする短編小説
もっと見る >モヤモヤ短編小説
もっと見る >ゾッとする短編小説
もっと見る >LINEの短編小説
もっと見る >実体験をもとにした短編小説
もっと見る >恋愛トラブル
もっと見る >ハラスメント
もっと見る >金銭トラブル
もっと見る >浮気・不倫
もっと見る >迷惑
もっと見る >仕事のトラブル
もっと見る >非常識
もっと見る >LINE誤爆
もっと見る >思わず気持ちが晴れた「スカッと」
思い出しても背筋が凍る「ゾッと」
その感情を、物語にしませんか。
GLAMでは、あなたのリアルな体験エピソードを
お待ちしています。

GLAM Lifestyle Editorial
編集部
日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
Feature
特集記事


