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「そんなの千円で買い直せるだろ」妻が生地から手作りしたバッグを酔って失くした夫。だが、値段を見て青ざめた

「そんなの千円で買い直せるだろ」妻が生地から手作りしたバッグを酔って失くした夫。だが、値段を見て青ざめた
完売した生地で作った、世界に一つのバッグ
夫婦で地元の球団を応援するのが、我が家の一番の楽しみでした。
試合の日は、いつも夫が荷物持ち役です。
ファンクラブでもらったカバンは口が浅くて使いにくく、夫はいつも不便そうにしていました。
そこで私は、とっくに完売していた公式の生地を、あちこち探してやっと高値で仕入れたのです。
型紙から起こし、飲み物やタオルを分けて入れられるよう工夫を重ねました。お金も時間もかけた、世界に一つだけの観戦バッグでした。
持ち手には肩が痛くならないよう芯を入れ、内側には飲み物用の保冷ポケットまで縫い付けました。何日も夜なべして、やっと仕上げた自信作です。
「これ、売り物みたいだな。使いやすいよ」
受け取った夫も、はじめはそう言って喜んでいました。ところが数回使っただけで、事件は起きたのです。
試合の帰り、すっかり酔った夫が、どこかにバッグを置き忘れてきました。
「バッグは?あんなに気に入ってたのに」
「知らないよ。酔ってたし、そこらに置いてきたんだろ」
「一緒に駅まで戻って探そう。まだ届いているかもしれない」
「もう遅いって。どこで飲んだかも覚えてないんだから」
ろくに探しにも行かず、逆に不機嫌になる始末。しまいには、面倒くさそうにこう言い放ったのです。
「そんなの千円で買い直せるだろ」
買い直そうとした夫が固まった瞬間
私は涙をこらえ、手芸用品店の場所をメモに書いて夫に手渡しました。
「じゃあ、同じ物を買い直してきて。生地からね」
その週末、夫は面倒そうに店へ出かけていきました。ところが夕方、帰ってきた夫の顔は真っ青だったのです。
「あの生地、もうどこにも売ってないって言われた」
店員さんいわく、あの公式生地はとうに完売で、今では手に入らないとのこと。運よく在庫を残す店でも、値段は千円どころの話ではなかったそうです。
「じゃあ、ネットで探せば……」
「無理よ。あれ、当時でもやっと見つけた品なの」
「同じ柄の生地じゃなきゃ、代わりにならないの」
夫は言葉に詰まり、それきりうつむいて黙り込んでしまいました。
その姿を見て、私はもう一度だけ、静かに口を開きました。あれを仕上げるまでの日々が、頭をよぎっていました。
「一針ずつ縫った時間は、千円じゃ買い直せないの」
私が静かにそう告げると、夫はもう何ひとつ言い返せませんでした。
あの日から夫は、私の持ち物を雑に扱わなくなりました。新しいバッグを縫う私の隣で、今は黙って糸くずを拾ってくれています。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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