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「これ、作りすぎたから食べて!」手作り品を押し付けてきた隣人→ゴミの日にピタリと止まった理由

「これ、作りすぎたから食べて!」手作り品を押し付けてきた隣人→ゴミの日にピタリと止まった理由
玄関先で差し出されるタッパー
その隣人は、料理が好きで世話好きな人だった。問題は、その量が多すぎることだ。
「作りすぎたから」
玄関のチャイムが鳴るのは、たいてい夕方だった。そう言って手渡されるのは、和え物だったり、浅漬けだったりする。どれも火を通さずにそのまま食べるものばかりだ。
「いつもすみません、ありがとうございます」
笑顔で受け取りながら、私の心はいつも少しだけ重かった。誰がどんなふうに作ったのか分からない加熱しない食べ物を、正直、口に入れるのは怖い。けれど、すぐ隣に住む人だ。
「お口に合うといいんだけど」
「きっとおいしいです」
そう返すのが精一杯で、要らないとはとても言えなかった。受け取らなければ角が立つ。この先もずっと隣で暮らすのだから、と自分に言い聞かせていた。
捨てるたびに胸が痛んだ
結局、いただいた手作り品は、こっそりゴミの日に出すしかなかった。
封も開けないまま袋に入れる手が、毎回ためらう。
もらっておいて捨てるなんて、自分はなんてひどいことをしているんだろう。そう思うと、胸の奥がちくりと痛んだ。
「あの人、悪い人じゃないんだよね」
夫にそうこぼしたこともある。善意なのは分かっている。だからこそ断れず、捨てることでしか自分を守れない。
その後ろめたさが、ずっと喉の奥に引っかかっていた。
「正直に話せたら一番いいんだけどね」
そう言われても、あの笑顔を前にすると、衛生面が不安だなんて言葉は飲み込むしかなかった。
要らないと伝えて傷つけるくらいなら、黙って受け取って捨てるほうがましだと、その頃の私は思い込んでいた。
ある収集日を境に
転機は、思いがけない形で訪れた。
あるゴミ収集日のことだ。手作り品をくれていた隣人が、集積所の前で立ち尽くしていたという。
誰かが出したゴミ袋の口から、自分があげたものとよく似た料理が、手つかずのまま見えていたらしい。
誰の袋かは分からない。私のではなかった。
それでも、自分の作ったものが封も開けられずに捨てられている。その光景は、相当こたえたようだった。
それからだ。ぴたりと、あの夕方のチャイムが鳴らなくなったのは。
道で会えば、今までどおり笑顔で話してくれる。
「こんにちは、いいお天気ね」
「ほんとですね」
ただ、もう手作りのタッパーが差し出されることはなかった。
誰も傷つける言葉を言わずに、あの気まずいやり取りだけがそっと消えていた。ゴミの日に手を止めることも、もうない。玄関のチャイムにびくりとしなくなった夕方、私は久しぶりに肩の力が抜けていくのを感じていた。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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