Share
「家計はちゃんと管理したい」給料を妻に全額預けていたが、口座が空に。だが、問い詰めた妻のお金の使い道に呆れた

結婚を機に妻へ全額預けた給料
結婚して数ヶ月の頃の話だ。
同い年の妻はしっかり者で、結婚前から「家計はちゃんと管理したい」と言ってくれていた。
自分は数字に弱く、お金の管理に自信がない。お願いします、と頭を下げて、毎月の給料はほぼ全額、妻名義の口座へ移して任せていた。
共働きで生活費はそれなりにかかるが、家賃も光熱費も食費も、私の給料だけで十分まわるはずだった。
実際、独身時代は同じ収入で毎月そこそこの貯金もできていた。
妻も働いているのだから、新婚の家計が苦しくなる理由がない。
「今月もちょっと足りないから、お小遣い少し減らしていい?」
たまにそう言われても、新婚で家具や家電を揃えている時期だ。仕方ない、と笑って頷いていた。だから明細を見たのも、本当にたまたまだった。
残高画面で固まった夜
給料日からちょうど2週間。スマホアプリで給与振込口座を開いた瞬間、目を疑った。
残高がほとんどない。家賃も光熱費もまだ落ちていないのに、桁が一つ少ない数字が表示されている。
何度も画面を更新したが、間違いない。妻に渡しているはずの生活費を引いても、こんなに減るはずがない金額だった。
その夜、夕食の片付けが終わったあと、妻に切り出した。
「口座、見たんだけど。残高ほぼ残ってないのって、何で?」
妻の手が止まり、皿を持ったまま動かなくなった。長い沈黙のあとで、絞り出すように打ち明けてきた。
「結婚前の借金、実は家計から返してた」
頭が真っ白になった。額を聞いて、もう一度息が止まる。
返済期限が迫っていて、結婚前に言い出せないままここまで来てしまった、と妻は俯いていた。怒鳴る気力もなかった。
信頼してすべて任せていた相手が、結婚生活の最初の数ヶ月で、自分の給料を黙って返済の穴に流していた。その事実をどう受け止めればいいのか、しばらく分からなかった。
立て直すまでの数ヶ月
翌月から生活費を限界まで切り詰めて、家計の管理は私の側に切り替えた。
外食はやめ、休日のお出かけも控えた。お弁当を持参し、コンビニにも極力立ち寄らない生活が続いた。
妻も自分の収入から少しずつ返済に回し、半年ほどでようやく借金は片付いた。完済してからは妻も心を入れ替え、今は二人で相談しながら家計を回せている。
それでもあの夜の残高画面と、長い沈黙のあと俯いた妻の表情を思い出すたびに、一度ぐらりと揺れた信頼の感覚がよみがえる。
最初に言ってくれていれば、と今でもふと考えてしまう夜がある。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、30代・男性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
ほかの小説も読む
CHARACTERS
登場人物から探す
THEME
テーマ・シチュエーションから探す
ENDING
結末から探す
最も人気の短編小説
もっと見る >スカッとする短編小説
もっと見る >モヤモヤ短編小説
もっと見る >ゾッとする短編小説
もっと見る >LINEの短編小説
もっと見る >実体験をもとにした短編小説
もっと見る >恋愛トラブル
もっと見る >ハラスメント
もっと見る >金銭トラブル
もっと見る >浮気・不倫
もっと見る >迷惑
もっと見る >仕事のトラブル
もっと見る >非常識
もっと見る >LINE誤爆
もっと見る >思わず気持ちが晴れた「スカッと」
思い出しても背筋が凍る「ゾッと」
その感情を、物語にしませんか。
GLAMでは、あなたのリアルな体験エピソードを
お待ちしています。

GLAM Lifestyle Editorial
編集部
日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
Feature
特集記事

