Share
「その業者はやめろ。うちで決めるから」誰も逆らえなかった親戚。だが、正直な気持ちを伝えた結果

「その業者はやめろ。うちで決めるから」誰も逆らえなかった親戚。だが、正直な気持ちを伝えた結果
親族のことは、自分が決める人だった
父方の実家を継いだ親戚は、親族が集まると何かと仕切りたがる人だった。
自分が決めたことに誰かが意見を出すと、露骨に機嫌を悪くする。
そのため、いつしか周囲も正面から言い返さなくなっていた。
私たちが家を建てることになったときも、口を出された。
すでに何度も打ち合わせを重ね、お願いするつもりでいた建築会社があった。
ところが、その話を親族の集まりでした途端、その人は言った。
「その業者はやめろ。うちで決めるから」
夫が、すでに話が進んでいることを説明しようとしても、最後まで聞いてはもらえなかった。
「もう決めたことだから」
結局、私たちは押し切られる形で、それまで進めていた話を断った。出来上がった家に暮らし始めてからも、もっと自分たちの希望を通せばよかったという思いは残った。
あのときから私は、親戚だからといって何でも従う必要はないのではないかと考えるようになった。
毎年のように求められていた先払い
その人から言われることは、家のことだけではなかった。
その人の妻の実家で採れる農作物も、毎年のように年間分をまとめて買うよう求められていた。
しかも代金は先払いだった。
必要だから買っているというより、断りにくいから買っている。
少なくとも私は、そう感じていた。
それでも以前は、集まりの空気を悪くしたくなくて、言われるままに支払っていた。
そして、その年も同じ話が出た。
「今年の分も、まとめて先に払えよ」
いつもなら、誰かが財布を出し始めるところだった。
けれど、その日は誰も動かなかった。
私は少し迷ったあと、先に口を開いた。
「今年は、うちはやめておきます」
その人は意外そうに私を見た。けれど、私はそれ以上理由を並べなかった。
すると、向かいにいた親族も「うちも今回はいいかな」と続いた。ほかの人たちも財布には手を伸ばさなかった。
従わないだけで、空気は変わった
「みんなどうしたんだ」
その人は不満そうだったが、以前のように強く押し通すことはなかった。
結局、その日は誰もその場で代金を払わないまま、話は終わった。
その後も、その人の性格が急に変わったわけではない。親族の集まりでは相変わらず自分の意見を強く言うこともある。
ただ、少なくとも私は、嫌だと思ったことまで黙って受け入れるのをやめた。
一度断ってみると、あれほど怖いと思っていた空気も、以前とは少し違って見えた。
誰かを言い負かしたわけでも、関係を切ったわけでもない。ただ、従うことをやめただけだった。それが私にとっては、大きな変化だった。
※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた50代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
ほかの小説も読む
CHARACTERS
登場人物から探す
THEME
テーマ・シチュエーションから探す
ENDING
結末から探す
最も人気の短編小説
もっと見る >スカッとする短編小説
もっと見る >モヤモヤ短編小説
もっと見る >ゾッとする短編小説
もっと見る >LINEの短編小説
もっと見る >実体験をもとにした短編小説
もっと見る >恋愛トラブル
もっと見る >ハラスメント
もっと見る >金銭トラブル
もっと見る >浮気・不倫
もっと見る >迷惑
もっと見る >仕事のトラブル
もっと見る >非常識
もっと見る >LINE誤爆
もっと見る >思わず気持ちが晴れた「スカッと」
思い出しても背筋が凍る「ゾッと」
その感情を、物語にしませんか。
GLAMでは、あなたのリアルな体験エピソードを
お待ちしています。

GLAM Lifestyle Editorial
編集部
日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
Feature
特集記事


