Share
「今夜も遅れる、残業なんだ」嘘を重ねていた夫と後輩の女。だが、両方に慰謝料を請求した結果
INDEX

「今夜も遅れる、残業なんだ」嘘を重ねていた夫と後輩の女。だが、両方に慰謝料を請求した結果
「残業」という名の嘘
結婚して五年、私は夫の言葉を疑ったことがなかった。
帰りが遅くなる日が増えても、仕事熱心な人だと、むしろ誇らしく思っていたくらいだ。
「今夜も遅れる、残業なんだ」
玄関でそう言い残す夫の背中を、私は毎晩見送っていた。
異変に気づいたのは、ある夜のことだった。
テーブルに置きっぱなしの夫のスマホに、メッセージの通知が次々と灯ったのだ。
差出人は、夫が可愛がっていると話していた職場の後輩の女性。
画面に浮かんだ一文に、私は息を呑んだ。
「今日は奥さんに、何て言って出てくるの?」
頭が真っ白になった。信じたくなかった。
仕事熱心だと誇らしく思っていた夫の顔が、まるで知らない人のものに見えた。
それでも、ここで取り乱してはいけないと、私は震える手を握りしめて自分に言い聞かせた。
その日から、私は静かに証拠を集めはじめた。
二人のメッセージのやり取り、寄り添って写った写真、ホテルの領収書。感情を殺して、一つひとつ手元に残していった。
泣くのは、すべてが終わってからでいい。
証拠を並べた夜
ひと月後、私は夫と、その後輩女性を我が家に呼んだ。
テーブルの上には、集めた証拠をすべて並べておいた。
夫は写真の束を見ても、なお言い張った。
「な、なんだよこれ。ただの残業の付き合いだって」
私は黙って、二人のメッセージを印刷した紙を、一枚ずつめくって見せた。
あの夜、私に残業だと告げた同じ時刻、彼が彼女に送っていた甘い言葉まで、すべて揃っていた。
夫の顔から、みるみる血の気が引いていった。
「それは…いや、これはその…」
言い訳の続きは、もう出てこなかった。夫は口をぱくぱくさせたまま、やがて黙り込んだ。隣で後輩女性も、真っ青な顔でうつむいている。
「……申し訳、ありません」
消え入るような彼女の声に、私は静かに切り出した。
「言い逃れはもうやめて。慰謝料は、あなたたち二人からきっちりいただきます。二人合わせて300万円よ」
証拠が揃っている以上、二人に断る術はなかった。
付き添ってくれた私の母が、二人を見据えて口を開いた。
「娘を五年も騙してくれたわね。よくもまあ」
その一言に、夫はますます小さくなった。あれほど大きく見えた背中が、今は縮こまって見えた。
「……本当に、すまなかった」
ようやく絞り出した夫の謝罪も、もう私の心には何ひとつ響かなかった。
後日、慰謝料はきっちり支払われ、私は迷わず離婚届に判を押した。
一人になった今、寂しさがないと言えば嘘になる。それでも、嘘の中で我慢し続けるより、自分の人生を大切にできる今のほうが、ずっと胸を張って生きられる。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
ほかの小説も読む
CHARACTERS
登場人物から探す
THEME
テーマ・シチュエーションから探す
ENDING
結末から探す
最も人気の短編小説
もっと見る >スカッとする短編小説
もっと見る >モヤモヤ短編小説
もっと見る >ゾッとする短編小説
もっと見る >LINEの短編小説
もっと見る >実体験をもとにした短編小説
もっと見る >恋愛トラブル
もっと見る >ハラスメント
もっと見る >金銭トラブル
もっと見る >浮気・不倫
もっと見る >迷惑
もっと見る >仕事のトラブル
もっと見る >非常識
もっと見る >LINE誤爆
もっと見る >思わず気持ちが晴れた「スカッと」
思い出しても背筋が凍る「ゾッと」
その感情を、物語にしませんか。
GLAMでは、あなたのリアルな体験エピソードを
お待ちしています。

GLAM Lifestyle Editorial
編集部
日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
Feature
特集記事


