Share
「30分早く起きたら息抜き出来ない!」朝の育児を渋った夫。だが、1日家事を丸投げしたら顔面蒼白に

「30分早く起きたら息抜き出来ない!」朝の育児を渋った夫。だが、1日家事を丸投げしたら顔面蒼白に
30分の頼みに返ってきた言葉
2歳と4歳の男の子を育てる毎日は、朝から晩まで気の休まる暇がない。下の子の夜間授乳で寝不足のまま、上の子の登園準備に追われる。
上の子は支度に時間がかかり、いつもより早く起こさないと間に合わない。私は思いきって夫に頼んだ。
「明日から30分でいいの。一緒に早く起きて、手伝ってくれない?」
たった30分。それだけのことだと思っていた。ところが夫は、露骨に嫌そうな顔をした。
「30分早く起きたら息抜き出来ない!」
夜くらい自分の時間がほしい。
そう続ける夫に、私は言葉を失った。
夜通し眠れているのは、いったい誰なのか。飲み会に行き、一人で出かけられるのは、どちらなのか。
「私、息抜きなんて一度もできてないよ」
やっとそれだけ返したが、夫は悪びれもしなかった。
「まあ、そのうち慣れるって」
慣れる、と言われても、朝の戦場に立つのはいつも私一人だ。その事実は、少しも変わらない。
乗り込んだ母が渡した丸一日
その週末、様子を見に来た私の母が、たまたまその話を耳にした。孫をあやす手を止め、母は静かに夫へ切り出した。
「じゃあ試しに、明日は丸一日、あなたが二人を見てちょうだい」
「え、丸一日?」
夫がうろたえても、母は笑顔のまま有無を言わせない。
「娘は毎日やってるの。一日くらい、できるでしょう?」
翌朝、夫の丸一日が始まった。私と母は近くのカフェへ出かけ、家を空けた。
数時間おきに、夫から悲鳴のような連絡が届く。
「下の子が泣きやまない」「上の子がご飯を食べない」。文面は、だんだん短く、切実になっていった。
「オムツの替えってこれで合ってる?」という問い合わせまで来て、私と母は思わず顔を見合わせて笑ってしまった。
夕方に帰ると、夫は床に座り込み、青ざめた顔でぐったりしていた。
おもちゃの散らばった部屋で、二人の子はまだ元気に走り回っている。
「……無理だ。こんなの、毎日やってるのか」
夫の声は、かすれていた。台所には洗い物が山になり、「昼ご飯を用意するだけで、こんなに時間が」と、放心したようにつぶやく。
母は帰り際、夫の肩をぽんと叩いた。
夫は、返す言葉もなくうなだれた。私は母に、ありがとうとだけ伝えた。
翌日から、夫は何も言わずに30分早く起きるようになった。上の子を着替えさせ、下の子を抱っこして、朝の戦場に加わってくれる。
あの「息抜き」の一言は、もう二度と聞かなくなった。丸一日の子育てが、夫の見ていた景色を変えたのだった。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
ほかの小説も読む
CHARACTERS
登場人物から探す
THEME
テーマ・シチュエーションから探す
ENDING
結末から探す
最も人気の短編小説
もっと見る >スカッとする短編小説
もっと見る >モヤモヤ短編小説
もっと見る >ゾッとする短編小説
もっと見る >LINEの短編小説
もっと見る >実体験をもとにした短編小説
もっと見る >恋愛トラブル
もっと見る >ハラスメント
もっと見る >金銭トラブル
もっと見る >浮気・不倫
もっと見る >迷惑
もっと見る >仕事のトラブル
もっと見る >非常識
もっと見る >LINE誤爆
もっと見る >思わず気持ちが晴れた「スカッと」
思い出しても背筋が凍る「ゾッと」
その感情を、物語にしませんか。
GLAMでは、あなたのリアルな体験エピソードを
お待ちしています。

GLAM Lifestyle Editorial
編集部
日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
Feature
特集記事


