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「今月もローン代を貸して」とお金を借りる母。だが、育休中の私が本音を伝えた結果

妹と兄は可愛がるのに、お金だけは私に
実家の母は、昔から働きに出ようとしない人だ。
家計はいつも綱渡りで、生活費も携帯電話の料金も、毎月ぎりぎりで回している。
不思議なのは、妹と兄のことはあんなに可愛がるのに、お金の相談と長い愚痴だけは、決まって私のところへ回ってくることだった。
「あんたにしか頼めへんのよ」
電話口で、母はいつもそう言って声を落とす。
「妹はまだ若いし、兄には兄の家庭がある。あんたが一番しっかりしてるんやから」
ここ数ヶ月は、家のローンの相談が続いていた。滞納すれば家を手放すことになると。
そう言われると突き放すこともできず、私は毎月のように、万単位のお金を渡していた。
子どもの頃から、母のこういう頼み方には慣れていた。困っているのは本当なのだからと自分に言い聞かせて、財布を開く。それが娘の役目なのだと、いつの間にか思い込まされていた気がする。
「もう渡せません」と初めて言えた日
けれど、その頃の私は育休の真っ最中だった。
収入は減り、二人の子どもの暮らしを守るだけで精一杯。母にお金を工面するたびに、我が家の家計が静かに削れていく。
おむつ代、ミルク代、上の子の保育料。育休手当だけで回す毎月は、一円単位のやりくりだった。それでも母から電話が来れば、私は自分たちの暮らしを後回しにして、お金をかき集めてきたのだ。
その月も、母から電話が鳴った。
「今月もローン代を貸して」
いつもの声だった。けれど私は受話器を握ったまま、初めて息を吸ってこう言った。
「もう渡せません」
電話の向こうが、一瞬しんと静まった。
「……なんでよ。あんた、親を見捨てるん?」
「見捨ててない。でも今のうちには、この子たちの生活があるの」
声が震えないよう、私はゆっくり言葉を選んだ。
すると、隣で子どもを抱いていた夫が、静かに受話器へ顔を寄せた。
「お義母さん。僕たちも、子どもの暮らしが最優先なんです。ここから先は、力になれません」
母は何か言いかけて、けれど、その言葉を続けられなかった。
「……わかった」
それだけ言って、電話は切れた。
その日から、私は母と少しだけ距離を置くことにした。
お金の無心の電話は、ぱたりと減った。たまにかかってくる電話も、用件はお金ではなく、他愛のない世間話に変わっていた。お金の切れ目が縁の切れ目、なんて言うけれど、そうならなかっただけ、まだ救いがあったのだと思う。
薄情な娘だと思われても構わない。私がまず守らなければいけないのは、腕の中で眠るこの子たちの毎日だ。
そう決めた夜、久しぶりに、子どもの寝顔だけを見て眠ることができた。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、20代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
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