Share
「誰の金で食えてるんだか」60歳を過ぎてから再婚した夫。だが、豹変した姿に思わず恐怖

結婚した途端に変わった夫
六十を過ぎてから、思い切って登録したマッチングアプリ。そこで知り合った彼は、驚くほど穏やかで優しい人だった。半年の交際を経て、私たちは再婚した。
ところが籍を入れた途端、夫の態度は一変した。気に入らないことがあると、何時間も口をきかない。ため息と舌打ちで家中に不機嫌をまき散らし、私が理由を尋ねても、ますます黙り込むだけ。食卓の空気は、いつも張りつめていた。
「なんで不機嫌なのか、言ってくれなきゃ分からない」
そう尋ねても、夫はため息をつくだけ。挙げ句、吐き捨てるように言った。
「誰の金で食えてるんだか」
私にもわずかな年金があり、掃除も洗濯も食事の支度も、家のことはすべて私が担っていた。
それでも夫は、生活費を出しているのは自分だと言い張り、事あるごとにその一言で私を黙らせようとした。
同居していた義母も、まるで示し合わせたように夫の側についた。
「嫁が我慢しなさい」
八十を超えた義母は、私が何を言っても最後はこの一言で片づけた。息子のすることに間違いはない、嫁は下がっていればいい。
そう言わんばかりの視線に、私は少しずつ言葉を失っていった。二人がかりで責められる食卓は、日に日に息が詰まっていった。
親族の前で引いた一本の線
結婚して三年、私はずっと耐えてきた。だがある日、静かに準備を始めた。夫の不機嫌な言葉、義母の小言。日付とともに手帳へ書き留め、録音もそっと積み重ねていった。
きっかけは、法事で親族が集まった日だった。夫はいつもの調子で、皆の前でも私を見下した。
「こいつは金の使い方も知らないんだ」
親戚が気まずそうに黙り込む中、私は落ち着いて口を開いた。
「その言葉、全部残してあります」
手帳と、日付の並んだ記録。夫の顔から、みるみる血の気が引いていく。言い返そうとした義母も、口を開きかけて言葉を飲み込んだ。
「私は家政婦でも、我慢するための道具でもありません」
声を荒らげたわけではない。ただ、震える手を膝の上で握りしめ、まっすぐ夫を見て言った。
集まった親族の何人かが、静かにうなずいた。夫の従兄が「それは……あんたが悪いよ」と低い声で言うと、夫はうつむいて黙り込んだ。いつも味方だったはずの義母までもが、ばつが悪そうに目をそらした。
後日、私は家を出て、しばらく距離を置くと決めた。夫は毎日のように電話をよこすようになったが、受話器から聞こえる声はもう、あの高圧的な調子ではなかった。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、60代以上・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
ほかの小説も読む
CHARACTERS
登場人物から探す
THEME
テーマ・シチュエーションから探す
ENDING
結末から探す
最も人気の短編小説
もっと見る >スカッとする短編小説
もっと見る >モヤモヤ短編小説
もっと見る >ゾッとする短編小説
もっと見る >LINEの短編小説
もっと見る >実体験をもとにした短編小説
もっと見る >恋愛トラブル
もっと見る >ハラスメント
もっと見る >金銭トラブル
もっと見る >浮気・不倫
もっと見る >迷惑
もっと見る >仕事のトラブル
もっと見る >非常識
もっと見る >LINE誤爆
もっと見る >思わず気持ちが晴れた「スカッと」
思い出しても背筋が凍る「ゾッと」
その感情を、物語にしませんか。
GLAMでは、あなたのリアルな体験エピソードを
お待ちしています。

GLAM Lifestyle Editorial
編集部
日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
Feature
特集記事


