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「ちょっと寝坊しちゃってさ」約束の時間になっても来ない叔父。悪気ゼロの言い訳に抱えた本音

朝出ると聞いていた親族の遠出
祖父の家に泊まりに行った週末、夕飯の席に父方の叔父一家が顔を出した。
叔父と叔母、それに小学生のいとこ二人。
翌日は隣県の大きな公園まで遠出をすると、ビール片手の叔父が上機嫌で話していた。
明日は朝早く出るから、というひと言を聞いて、私もその場で同行を申し出た。
叔父はすぐに頷いて、こう答えた。
「いいよいいよ、朝集合な」
翌日、私は早起きをして身支度を整えた。
前の晩のうちにリュックを玄関に置き、水筒を保冷バッグに入れ、薄手の上着まで用意した。
祖父も孫の遠出を喜んで、朝食を早めに用意してくれた。
私は祖父と並んで縁側に座り、車のエンジン音が聞こえてこないかと門の方を眺め続けた。
9時を回っても叔父からの連絡はなかった。10時になっても玄関のチャイムは鳴らない。叔父の携帯に祖父がかけても繋がらず、私は保冷バッグの中の水筒を一度冷蔵庫に戻した。
気を取り直して玄関に座り直したが、11時を過ぎても親族の車は来なかった。
結局、叔父一家が祖父宅の門を入ってきたのは昼前だった。
半袖のシャツでハンドルを握る叔父は、私と祖父を見るなり助手席の窓を開け、こう笑った。
「ちょっと寝坊しちゃってさ」
悪気のなさが一番こたえた帰省の昼
玄関に立ったまま、私はとっさに言葉が出てこなかった。
集合は朝、と言ったのは叔父本人で、私は4時間以上その合図を待っていた。だが叔父も叔母も、待たせたことへの一言もなく、祖父の家の冷蔵庫からお茶を出してリビングのソファに腰を落とした。
いとこ二人はテレビをつけて寝転がり、出発する空気はどこにもなかった。
叔母は私の顔を見て、お昼食べてから行く感じになっちゃったね、と呑気に笑った。
遠出は片道2時間ある。今から出れば現地到着は3時で、公園を歩ける時間はほぼ残らない計算だった。
私は祖父と顔を見合わせ、今日はやめておくと答えた。叔父は意外そうな顔をして、せっかくだから一緒に来ればいいのに、と軽く返してきた。
怒っているわけじゃなかった。
けれど、相手にまったく悪気がないことが、一番こたえた。約束を守らなかったという感覚すら叔父にはなく、寝坊は寝坊、なんとなく出る、なんとなく到着で、人を待たせている自覚が抜け落ちていた。
その日の午後、叔父一家は結局2時過ぎに出かけていった。
縁側で見送りながら、私は祖父と並んで麦茶を飲んだ。予定を立てないというのは、こうやって周りに小さく迷惑をかけていくんだなと、初めて言葉にできた気がした。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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