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「お前らのも一口くれよ」プロ野球観戦に誘ってくれた義父。だが、観戦中の信じられない振る舞いに絶句

張り切って誘ってくれた観戦
結婚して二年目の春、義父からプロ野球観戦に誘われた。
地元の球団を昔から応援している人で、嫁の私と息子をぜひ連れて行きたいと、何週間も前からはしゃいで予定を組んでくれていた。
三塁側の内野席を三枚、わざわざ並んで取ってくれた気配りが嬉しかった。仲のいい義父と過ごせる初めての休日に、私は素直にわくわくしていた。
義実家との関係が深まる第一歩になるかもしれないと、前夜は服装まで真剣に悩んだほどだ。
球場に着くと、夫が売店でたこ焼きを買い、私はビールを二本選んで席に戻った。
夫と乾杯し、ひと口飲んでから缶を肘掛けに置く。
隣の義父は自分の分は買っていない。
応援歌が球場全体に響き、私はすっかりリラックスして試合に集中していた。義父と並んで応援できるなんて夢みたいだ、と本気で思っていた。
異変が起きたのは三回の表だった。私が次のたこ焼きに楊枝を伸ばそうとした瞬間、横から手が伸びてきて、私のパックから二つ続けて口へ運ばれた。
義父の手だった。
「お前らのも一口くれよ」
信じられない振る舞い
夫は笑ってうなずいているけれど、私は固まったまま動けなくなっていた。
義父は当たり前のような顔で私の缶ビールに手を伸ばし、首を傾けてそのまま喉を鳴らした。私が直前に口をつけたばかりの缶だ。
義父は何も言わずに二度、三度と呷ってから、何事もなかったように私の肘掛けに戻した。続けて夫の缶も同じように回し飲みされた。たこ焼きも、楊枝を使わず手づかみで一つつまんでいく。ソースを舐めとる仕草まで、ためらいがなかった。
夫の方を見たけれど、笑いながら「親父、好きだもんね」と流している。
私は唇に残ったビールの跡を意識して、笑顔を作るのに必死だった。場の空気を壊したくない。せっかく招待してくれた義父に水を差したくない。その一心で、私は黙って何度も笑顔を返した。
試合のスコアは入ってこなくなっていた。残ったビールを夫がもう一度口にした時、なぜ何も言わないのか、と心の中で叫んでいた。
帰宅して玄関の鍵を閉めた瞬間、ようやく長く息を吐いた。
義父に悪気はなかったのだろう。気を許してくれている証拠だと夫は言う。
けれど、義実家の距離感はこれが標準なのだと知って、私は心のどこかで静かに線を引きはじめていた。
次に誘われる日まで、笑顔の練習が要りそうだった。同じ缶を回し合うことが家族の証だと言われたら、私はうなずける気がしなかった。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、20代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
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