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「もっと早く動いてよ!」お客さんの前で同僚に怒鳴られた私。落ち込んでいる私に、休憩室で声をかけたのは

忙しくなると豹変する同僚
パート先で一緒に働いている、同年代の女性がいる。
普段は穏やかで話しやすく、休憩中に世間話をする仲でもある。
でも繁忙時になると、口調がどこか変わる。
少し強い言い方で指摘したり、周りの動きに苛立つような言葉を飛ばしたりする。
最初はたまたまだろうと思っていた。
でもレジが混む昼過ぎや特売日には決まってそのパターンになる。
こちらはなるべく気にしないようにして、距離を置いていた。いちいち反応していたらきりがないし、パートの場では穏便にやっていくのが一番だと思っていた。
そのある日、タイムセールが重なってレジに長い列ができていた。
私は手を動かしながら次のお客さんの対応に集中していた。財布を探して手間取るお客さんにも笑顔で対応しながら、何とかペースを保っていた。そこへ隣のレジから声が飛んできた。
「もっと早く動いてよ!」
お客さんが並んでいる前だった。列を待つ人たちの視線がこちらに向いた気がした。
返す言葉が見つからないまま笑顔を保ち、何事もなかったように会計を続けた。
でも胸の中はじりじりと焦げるようだった。
必要な時だけ動ける人が、そこにいた
休憩室に引き上げてから、気持ちが一気に沈んだ。
その場で何も言い返せなかった自分への悔しさと、お客さんの前であんな言い方をされた事実が、じわじわと後から来た。
お茶をひと口飲もうとしてカップを持つ手が少し震えていた。
しばらくして扉が開き、別の同僚が入ってきた。席が近い、いつも静かに仕事をこなしている人だ。
大声で誰かをかばったり、場の空気を仕切ったりするタイプではない。自分の仕事を黙々とこなして、余計なことを言わない。そんな人が私の前に座り、こう言った。
「さっきのレジ、聞こえてたよ。あなたは悪くないから」
短いひと言だったが、それだけで目の奥が熱くなった。
さらにその同僚は、しばらく後に問題の同僚のそばへ行き、穏やかな声でこう伝えたのだという。
「忙しいのはみんな同じだから、言い方は気をつけた方がいいよ」
問題の同僚は少し気まずそうに黙っていた。でも終業間際に私のそばに来て、「ごめんね、さっきは焦ってたの」と短く言った。
その言葉が出てきたことで、胸につかえていたものがほぐれた気がした。
普段は目立たず、出しゃばらない。そんな同僚が必要な時だけ静かに動いてくれた。その姿に、胸がすっと軽くなった。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、50代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
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