Share
「あんたの陰口、みんな言ってたよ」笑顔で全部報告してきた同期。退職翌日に連絡先を消した同期への葛藤

「あんたの陰口、みんな言ってたよ」笑顔で全部報告してきた同期。退職翌日に連絡先を消した同期への葛藤
新卒で仲良くなった同期のこと
入社してすぐ、席が近かったこともあって同じ部署の同期とよく話すようになった。
ランチも一緒に行くし、仕事でわからないことを教え合ったり、帰り際に少し雑談したりする。
それなりに打ち解けた関係だったと思う。入社したばかりで慣れないことが多かった時期、そういう相手がいるのは心強かった。
仲がいい、とずっと感じていた。
ある日、その同期がにやけた顔で近づいてきた。
「あんたの陰口、みんな言ってたよ」
続けて、他のどの同期がどんなことを言っていたかを、事細かく話しはじめた。
声の調子がどこか楽しそうで、悪意というよりは、面白いネタを共有するような軽さがあった。誰が言っていたか、どんな言い回しだったか。丁寧に教えてくれる。
聞いているうちに、何かが冷えていく感覚があった。
伝えてくれていることへの感謝よりも、どうしてそれを伝えに来ようと思ったのかという疑問の方が大きかった。
悪口よりも、その行動がショックだった
話し終わった相手の顔を見ながら、すぐには言葉が出なかった。
陰で悪口を言われていたことは、うれしくはない。
でも、心のなかで本当に引っかかったのは、目の前の同期がわざわざそれを伝えてきたことだった。
(なんで言いに来るんだろう)
止めるわけでも、フォローするわけでもなく、むしろ詳細を伝えることを選んでいる。
仲がいいと思っていた相手が、その場面でそういう選択をした。
そのことが、じわじわと心に染み込んでくる。悪口の内容よりも、それを嬉しそうに報告してくる相手の姿の方が、ずっと重く残った。
その場では「そうなんだ」とだけ返して、普段通りに振る舞った。感情を出すつもりはなかったし、何かを言って角が立つのも嫌だった。
どちらにしても、今さら何かが変わるわけでもないと思っていた。
でも、それまでと同じように接することは、どこかできなくなっていた。一緒にランチに行くことも減り、休憩中に近くにいることも少なくなった。
距離を取っていることに、相手が気づいていたかどうかはわからない。
数ヶ月後、その同期が転職のために会社を去ることになった。
送別会でも普通に接した。退職の翌日、メッセージアプリの連絡先からアカウントを消した。向こうから連絡が来ることもなく、それ以来、一度も連絡はない。
悪口を言っていた相手への怒りは、時間が経つにつれて薄れていった。
でも、それを嬉しそうに伝えに来た同期への感情は、怒りというよりも、どこか落胆に近い何かとして今も残っている。仲がいいと思っていたこと自体が、少し恥ずかしいような、そんな気持ちもある。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
ほかの小説も読む
CHARACTERS
登場人物から探す
THEME
テーマ・シチュエーションから探す
ENDING
結末から探す
最も人気の短編小説
もっと見る >スカッとする短編小説
もっと見る >モヤモヤ短編小説
もっと見る >ゾッとする短編小説
もっと見る >LINEの短編小説
もっと見る >実体験をもとにした短編小説
もっと見る >恋愛トラブル
もっと見る >ハラスメント
もっと見る >金銭トラブル
もっと見る >浮気・不倫
もっと見る >迷惑
もっと見る >仕事のトラブル
もっと見る >非常識
もっと見る >LINE誤爆
もっと見る >思わず気持ちが晴れた「スカッと」
思い出しても背筋が凍る「ゾッと」
その感情を、物語にしませんか。
GLAMでは、あなたのリアルな体験エピソードを
お待ちしています。

GLAM Lifestyle Editorial
編集部
日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
Feature
特集記事

