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「使えない子だな」新人を毎日詰めた上司。だが、会社に届いたレコーダーを再生すると状況が一変

静かに消えていった新人
入社して半年が経った頃、同じチームに新しい女性が配属された。
物静かな印象で、わからないことがあっても自分から聞きにいくのが苦手そうだった。それでも業務は真面目にこなしていて、指示されたことは丁寧にやり遂げるタイプに見えた。挨拶もきちんとするし、誰かに絡まれているとは思っていなかった。
問題は直属のチームリーダーだった。
機嫌の波が大きく、新人に対して言葉がきつくなることが多かった。
「使えない子だな」
ミスの指摘というより、心を削るような言葉が頻繁に飛んだ。
声が大きくなると、フロア全体の空気が固まった。
新人の女性はそのたびに小さくなり、返事をするのもやっとという様子だった。
やがてミーティングに出てこない日が増え、出勤日数も少しずつ減っていき、ある時期からほとんど姿を見せなくなった。
周囲の誰も、声を上げることはできなかった。
「また始まった」と目を合わせるだけで、誰も動けなかった。自分も含め、見ていることしかできなかった。それが情けなかった。
会社に届いた小さな封筒
彼女が出社しなくなってから数週間後、会社宛に小包が届いた。
受け取ったのは総務の担当者だったが、その日の昼過ぎには社内に話が広まっていた。
封筒の中に入っていたのは小型のボイスレコーダーで、メモ用紙には「人事部へ」と書かれていたという。
録音された内容は、チームリーダーの発言だった。
日付と時刻まで記録されていて、強い口調で新人を追い詰めていた場面が何度も収められていた。黙って受けていたあの日々が、すべて残っていたのだ。
「ちゃんと聞いてたよ」
誰かがぽつりとつぶやいた言葉が、今も耳に残っている。
後日、人事が動き、チームリーダーは別の部署に異動になった。
詳しい処分の中身は聞かされなかったが、同じチームにいることはなくなり、フロアの空気が一気にゆるんだのを覚えている。それ以来、以前のような怒声が飛ぶ場面は起きなくなった。
あの新人の女性が何を思いながら録音していたのかは知らない。怒りだったのか、それとも自分を守るための静かな決意だったのか。
でも、黙って記録し続けていたことに、確かな強さを感じた。声を上げられなかった自分たちが何もしなかった時間を、彼女はひとりで埋めていたのだ。
詰められていた本人が、黙ってちゃんと聞いていた。そう気づいた瞬間、長く胸につかえていたものが、少しだけ軽くなった日のことを、今でも覚えている。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、20代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
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