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「何で私だけこんな待つの?」目の前で支払いに時間をかける客。我慢していた私が抱えていた本音

自分の列だけ進まない、あの沈黙
その日、仕事帰りにスーパーへ立ち寄った。
夕方の混雑時間は過ぎていて、レジには短い行列。
急いでいるわけではないし、気持ちはいたって穏やかだった。
どれを選んでも大差ないだろうと、一番左の列に並んだ。
隣の列を選んだ中年の女性はもう精算を終えて、軽い足取りで出口へ向かっている。
反対側の列でも、次々と客がはけていく。
ところが、自分の前に並ぶ人が財布からカードを取り出しては戻し、また別のカードを引っ張り出す。
「こちらのカード、使えますか?」
店員の女性が画面を指しながら丁寧に説明する。
決して不愛想ではない。むしろ親切すぎるほどで、こちらが恐縮するくらいだ。
(急いでないし、全然いいんだけど)
そう自分に言い聞かせながら、横目で隣の列を見た。スイスイ進んでいる。
急いでいないのに、なぜか焦ってしまう
前の人が「これはどうですか」と別の支払い方法を試し始める。
読み取り機にスマホをかざし、エラーが出て、もう一度かざす。
店員さんが「少々お待ちください」と別の端末を操作する。
その間、隣と反対の列では、もう新しい客が並び始めていた。
急いでいない。本当に急いでいない。
なのに、後ろに誰かが並んでいるのが背中で感じとれて、じわじわと焦りが募ってくる。
スマホを取り出して時刻を確認したが、まだ十分余裕がある。わかっているのに、体が勝手に落ち着かなくなっていく。
(早く終わってくれ、と思うのはお門違いだよね)
そもそも自分が選んだ列だ。前の人も悪くないし、店員さんも懸命に対応している。
誰も責める筋合いはない。でも、なぜかこの時間がひどく長く感じられる。
「お待たせしました、こちらでご精算ありがとうございます」
ようやく処理が通ったらしく、レシートが印刷される音がした。
会計後の「気まずさ」だけが残った
自分の番になって、いつもどおりに精算を終えた。
「ありがとうございました」と店員さんに告げ、袋を持って出口へ向かう。
その歩き方が、妙に「急いでません」という雰囲気になってしまっているのが自分でもわかった。
待たされたわけでも、損したわけでも、誰かに失礼なことをされたわけでもない。
ただ、自分の列だけ詰まった。それだけのことなのに、出口を抜けた後もなんとなく胸の中に引っかかりが残る。
「何で私だけこんな待つの?」
誰かに聞かれたわけではないけれど、そのセリフが頭の中をぐるぐるした。急いでいないのに、なぜかこんなに引っかかるんだろう。答えのないまま夜道を歩いた。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
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