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「家族だからいいんだよ!」着替えの途中でもノックせずに勝手に入る義祖父。だが、正論をぶつけた結果

ノックなしで開く部屋のドア
結婚してすぐ、私は夫の実家で義祖父母と同居を始めた。
義祖父はかくしゃくとした人で、しっかりしている。
ただ、他人との境目という感覚が、どうにも薄かった。
私の部屋のドアは、いつもノックなしで開いた。着替えの途中でも、洗濯物をたたんでいる最中でも、おかまいなしに入ってくる。
「お茶があったから持ってきたぞ」
悪気はない。それは分かっている。でも、留守のあいだに引き出しを開けられ、私物を勝手に並べ替えられていたときは、さすがに背筋が寒くなった。
「あの、部屋に入るときは声をかけてもらえますか」
思いきってそう頼むと、義祖父は心外だという顔をした。
「家族だからいいんだよ!」
その一言で、話は終わりだった。私が夫に相談しても、返ってくるのは煮え切らない言葉ばかりだった。
「じいちゃん、悪気はないからさ」
「でも、留守のあいだに引き出しまで開けられるのは、さすがに困るの」
「大げさだって。この家じゃ昔からそうなんだから」
夫はそう言って、テレビに目を戻す。事を荒立てたくないだけなのだ。私の部屋は、いつまでも誰でも入れる部屋のままだった。
きちんと引いた一本の線
ある朝、また断りもなく開いたドアの前で、私は義祖父にはっきり向き直った。
「必ずノックしてください」
声は震えなかった。義祖父が目を丸くする。
「なんだ、急に」
「家族だから、なんでもしていいわけじゃないんです。私にも、一人になりたい時間があります」
できるだけ穏やかに、でも一歩も引かずに続けた。
「入る前にノックする。留守のあいだは入らない。それだけ守ってもらえたら、私も気持ちよく暮らせます」
義祖父はしばらく黙っていた。それから、ばつが悪そうに頭をかいた。
「……そうか。わしは、そこまで嫌がられてるとは思わなんだ」
言い訳をするでも、逆上するでもなかった。筋の通った頼みだと、ちゃんと分かってくれたのだ。
そばで聞いていた義祖母が、こらえきれずに笑い出した。
「おじいさん、若い子の部屋にずかずか入るからよ。私だって、そんなことされたら嫌ですよ」
義祖父は、ますますばつが悪そうに首をすくめた。
「悪かったな」
翌日から、私の部屋のドアは、必ずノックの音のあとに開くようになった。ときどき「入っていいか」と、廊下から声がする。
それだけのことが、こんなにも心を軽くするとは思わなかった。夫はばつが悪そうにしていたが、それきり義祖父との小さな緊張は消え、私はようやく自分の部屋で息がつけるようになった。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
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