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「カビだけ取ってお父さんに食べさせる」モニター越しに聞こえた妻と娘の会話→夕食に出た一皿を見て、固めた決意とは

孫の見守りカメラから漏れてきた声
娘に初孫が生まれ、私は離れていても部屋の様子が映る見守りカメラとモニターをプレゼントした。
寝室に置いておけば赤ん坊の表情まで分かる優れもので、音声まで拾える機能付きだ。
帰り中の娘は喜んでくれて、すぐに赤ん坊の寝室へ設置してくれた。
週末、換気扇の近くで一服しながらぼんやり画面を眺めていると、ちょうど妻と娘が台所に立っているのが小さく映り込んでいた。
寝室から漏れる音声が、廊下越しの会話まで拾っていたらしい。何気なく音量を上げた瞬間、こんな会話が聞こえてきた。
娘「椎茸は捨てたほうが良いわよね?」
妻「どうして?」
娘「カビが生えていたら食べられないでしょ」
そのあと続いた一言で、私は煙草を取り落としそうになった。
換気扇の轟音より、モニターから漏れる妻の声のほうが大きく耳に残った。
普段からこの妻に料理を任せきりにしてきた身として、聞いてはいけない楽屋裏を覗いてしまった気分だった。
食卓に並んだ一皿で確信した日
「カビだけ取ってお父さんに食べさせる」
妻は笑い混じりにそう言い切った。
捨てたらダメよ、と娘に念を押す声まで聞こえてくる。
続けて「菌もカビも似たようなものだから大丈夫よ、知らんけど」と冗談めかして言い、娘も乾いた笑い声で返している。
煙草の先から灰がぽろりと落ち、私はしばらく換気扇の前で固まっていた。
その夜、テーブルに並んだのは見事に私の皿だけ椎茸の炒め物だった。
妻と娘は涼しい顔で別のおかずを食べている。
「あら、お父さんの好物よね」と微笑む妻に、私は何も言えなかった。
あの会話を聞いたとは言えない。
プレゼントした見守りカメラが、私自身を見張る道具に化けるとは思わなかった。
箸先で椎茸を裏返してみても、カビ跡らしき変色は見当たらない。妻が丁寧に削ぎ落としたのだろう。だがその技術の高さこそが恐ろしい。
結局、私は一口だけ椎茸を口に運び、あとは残してしまった。
妻が「あら、好きじゃなかった?」と首を傾げる。「いや、最近少し胃が重くてね」と笑ってごまかした。
シイタケ菌とカビの境界線を真剣に考えた50代男の夕食。
長年連れ添った妻と、嫁いだ娘と、生まれたばかりの孫が同じテーブルを囲む幸せな夜のはずなのに、頭の中ではずっと椎茸の表面の白い粉が揺れていた。
次の里帰りまでに、自分の分の冷凍弁当を確保しておく必要がありそうだ。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、50代・男性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
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