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「うちらここ定位置だから」義兄家族が広々座る義実家のリビング→年に二度の帰省で気づいた違和感

義実家のそばに家を建てた次男の嫁の年末年始
旦那と私は地元で出会い、そのまま結婚しました。
結婚を機に義実家のすぐそばに家を建てました。
義兄家族は東京で暮らしていて、車で帰ってくるのは盆と正月の年に二度。
一度の滞在は一週間ほどです。
義兄家族は、義兄夫婦と成人済みの子どもを含めて五人。
リビングの長テーブルの片側を、五人がゆとりを持って横並びに陣取ります。私たち夫婦は、向かいの一メートルほどの幅に、大人二人と小学校低学年の上の子、それに幼児の下の子の合計四人で座ることになるのです。
大人の肩と肩がぶつかり、子どもの茶碗を置く場所すら危うい。
下の子はお皿の縁にひじが当たって、料理をぽろぽろこぼしていきます。
私は自分の食事を一旦やめて、下の子の口元を拭くことに専念せざるを得ませんでした。
見かねたのか、台所から義母が顔を出して声をかけてくれました。
「そっちもっと詰めてー!」
義兄家族の方が、ようやく動きます。
けれど、数センチ。
お尻をほんの少し横にずらしただけで、こちらの一メートルの幅は、ほとんど変わりません。
姪の一言と、誰も注意しない義兄夫婦
前回の正月にも、似たことがありました。
下の子のために少しだけ詰めてもらえないかと、私が遠慮がちに声をかけたことがあったのです。
すると、向かいに座っていた成人済みの姪が、目も合わせずにこう答えました。
「いや、うちらここ定位置だから」
当然のような言い方でした。
私は咄嗟に、笑顔のような困り顔のような表情を作ったまま、声を返せませんでした。
義兄も、義兄嫁も、その場に居合わせていながら、姪に何も言いません。
聞こえていなかったのではなく、聞こえていて何も言わない空気でした。
家族のうち誰か一人が来られない年もあります。
仕事の都合だったり、体調だったり、理由はさまざまです。
それでもあちらの席はそのまま。来られなかった人の分の幅が空くだけで、自分たちの位置は誰一人ずらそうとしないのです。
空席だけがぽっかりと残り、こちらの一メートルは一センチも広がりません。
(席って、こんなに思想が出るんだな)
正月の料理を前に、私はそんなことを考えていました。誰かが声を荒げているわけではありません。義母も気を遣ってくれています。
それでも、年に二度、一週間ずつ訪れる「定位置」の文化に、私の中ではモヤモヤだけが静かに積もっていきます。
下の子の口元を拭きながら、向かいの広い席を見つめる時間が、年末年始のいちばん長い時間になっていました。
来年もまた、同じ席で同じように肩を縮めるのだろうかと、料理の湯気越しに考えていたのでした。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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