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「神経質ちゃん」陰で嫌なあだ名で呼ばれていた私→結婚3年目の妊娠で陰口がぴたりと止んだ瞬間

誰もいなくなった瞬間に変わる呼び方
結婚して1年が過ぎた頃から、義実家の空気が少しずつ変わっていった。
夫がリビングにいる間、義母や義姉は私のことをきちんと名前で呼んでくれる。
「お茶、ありがとうね」と笑顔まで添えて、湯のみを受け取る手つきも丁寧だった。
違和感を覚えたのは、夫が買い物に出て、舅が昼寝で奥の和室に下がった、ほんの数分の出来事だった。
キッチンの奥から、義母と義姉のひそひそ声が漏れてきた。
「本当に神経質ちゃん」
耳を疑った。今、私のことを言っているのか。
立ちすくんだまま、心臓だけが嫌な速さで打っていた。
けれどリビングに夫が戻ってくると、義母の声はすっとよそ行きに切り替わり、また私を名前で呼んだ。
その日から、義実家にいる時間がまるで別の生き物の腹の中にいるように感じられた。
3年目の妊娠報告、義母の口から二度と出なかった「あの呼び方」
2年目の正月も、夏のお盆も、状況は変わらなかった。
夫の前では「ねえ」と優しい声、二人きりになれば「もうちょっと肩の力抜いたら」。
言葉のたびに、胸の奥が薄く削られていくようだった。
誰にも相談できず、ただ笑って受け流す。
それが私にできる精一杯の防御だった。
夫に伝えれば「気にしすぎだよ」と返されるのが怖くて、結局言葉を飲み込み続けた。
結婚3年目の春、ようやく授かった。
夫と一緒に義実家へ報告に行った帰り道、不思議なことに気づいた。
義母も義姉も、二人きりの台所でも、もう例の呼び方を口にしなかった。
「お腹の赤ちゃんに、ゆっくり休んでもらってね」
そう言って、初めてお茶を出してきた義母の手は、少しだけ震えていた。
3年間、夫の前と裏で別人のように声を使い分けていた義母が、はじめて私の前で目を泳がせていた。
子供を授かったことは何より嬉しい。
けれど、3年間ひそかに私を削り続けたあの呼び方は、忘れられそうにない。
もう陰口は止んだ。それでも、義母が二度と「神経質ちゃん」と口にしないのは、私が母になったからではなく、見ていないところでも全部聞こえていたと、ようやく気づいたからかもしれない。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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GLAM Lifestyle Editorial
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日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
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