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「なんで工事がストップしてるんだ!」理不尽に怒鳴る上司。だが、手柄をあげた時の態度で退職を決意

「お前一人じゃ到底取れなかった案件だ。俺のフォローアップに感謝しろよ」
ふんぞり返って言い放つ上司を前に、私はただ力なく頷くことしかできませんでした。
私が勤務する中堅不動産会社では、こんな光景が日常茶飯事です。
靴の底をすり減らして何度も頭を下げ、泥臭く勝ち取った契約も、いつの間にか「上司の巧みなマネジメントの賜物」として上に報告されてしまいます。
連日深夜まで残業し、休日さえもパソコンに向かった私の努力は、誰からも評価されません。成果はすべて上層部が吸い上げる。それがこの職場の常識でした。
都合よく切り取られる手柄と、押し付けられる罪
手柄を横取りされるだけなら、我慢のしどころもあったかもしれません。ですが、一番心が折れるのは、逆の状況に陥ったときです。
「なんで工事がストップしてるんだ!お前の現場管理が甘いからだろう!」
オフィスの静寂を切り裂く、上司のヒステリックな怒鳴り声。工事が止まっているのは、記録的な豪雨による資材搬入の遅延が原因でした。誰の目にも明らかな不可抗力だというのに、上司の耳には届きません。
「天候を言い訳にするな!リスクヘッジができていないお前の落ち度だ!」
予測不可能なトラブルや、些細なミス。それらすべては、担当者である私の「自己責任」として冷酷に切り捨てられます。
手柄は奪い取るくせに、火の粉が降りかかるとすべて部下に被せる理不尽さ。ドロドロとした不満が胃の腑に溜まり、まともに睡眠もとれない日々が続きました。
限界の先で見つけた、自分を取り戻すための一歩
「俺の人生、このままでいいのか」
深夜のガラ空きの電車内で、窓ガラスに映る生気のない自分の顔と目が合いました。正当な評価など皆無で、常に理不尽な叱責に怯えながら過ごす日々。
上司の機嫌を損ねないよう息を潜め、スケープゴートにされないように立ち回るだけの虚しい毎日です。
そんな職場で、前向きな気持ちを保てるわけがありません。私の中で張り詰めていた糸が、音もなく切断されるのを感じました。
次の日の朝、私は迷うことなく上司の席へと歩を進めました。
「本日付けで退職させていただきます。これまでありがとうございました」
「おい待て!今お前に辞められたら、抱えてる現場はどうなるんだ!」
あんなに威張り散らしていた上司が、血相を変えて引き留めようとする姿は、滑稽としか言いようがありませんでした。散々手柄を奪い、責任を押し付けてきたくせに。
私は振り返ることもなく、会社を飛び出しました。重苦しいプレッシャーから解き放たれ、外に出ると、あの大雨を忘れさせるような澄み切った青空が広がっていました。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、30代・男性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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GLAM Lifestyle Editorial
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日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
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