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「みんなの前では別人みたい」友人の前でだけ変わる彼女の二面性→静かに別れを告げた30代の決断

積み重なる違和感のはじまり
付き合い始めてしばらくは、彼女のことを誠実で優しい人だと思っていた。連絡はこまめで、デートの計画も一緒に立てて、不満らしい不満もなかった。
最初に気になったのは、飲食店でのできごとだった。
注文した料理がなかなか来ず、彼女は少し苛立った口調で「遅くないですか」と店員さんに言った。混んでいたし、そういうこともあるとは思いながら、なんとなく引っかかった。
それから、似たような場面が繰り返された。レジで手間取った店員さんに冷たい一言を投げたり、気に入らないことがあると表情を曇らせて黙り込んだりする。二人でいるときだけ見せる顔だと気づいたのは、しばらく経ってからだった。
自分への態度はいつも丁寧だったから、余計にそのギャップが気持ち悪く感じた。「これが普通なのかな」と自分を納得させようとしながらも、違和感はじわじわと大きくなっていった。
友人の前で見えた本当の顔
決定的だったのは、共通の友人と4人で食事をした日のことだった。
話が弾む中で、彼女が少し前に自分が言ったこととは正反対のことを話し始めた。二人きりのときとは違い、周りに合わせながら自分をよく見せようと話を盛っているのがわかった。
(あ、これは本当の彼女じゃない)
そのとき、急に冷静になれた気がした。好感が持てると思っていた部分が、全部演技だったとしたら。二人でいるときの不満げな表情や、他人への横柄な態度こそが、本来の姿なのかもしれない。
食事が終わって家に帰る道すがら、もう答えは出ていた。
「みんなの前では別人みたい」
彼女に別れを告げたのは、その翌週のことだった。
静かな別れと、肩の力が抜けた瞬間
「もう続けるのは難しい」と伝えると、彼女はしばらく黙り込んだあと、急に目に涙をためた。「私が何をしたっていうの」「ひどい」と繰り返し、まるで自分が傷つけられた側のような口ぶりだった。
その姿を見て、また人前とのギャップを感じた。でも、もう引き戻されることはなかった。二面性を知ってしまった後では、泣き声も計算に見えてしまう自分がいた。
別れてから数日後、友人に報告すると「前から何か違うと思ってたよ」と言われた。自分だけが気づいていなかったのかと少し恥ずかしかったが、それよりも解放感の方が大きかった。
あのとき冷静に別れを告げられたのは、積み重なった違和感を無視しなかったからだと思う。誰かに横柄な態度を取れる人が、いつまでも自分にだけ丁寧でいてくれるとは限らない。
肩の荷が下りた感覚は、あの日の帰り道より、別れを告げた後の静かな夜の方がずっと大きかった。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、30代・男性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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GLAM Lifestyle Editorial
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日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
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