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「なんで別れたの!かわいそうに」元彼の母から長電話が来たとき、たまたまいた友達が代わって一言で黙らせた

きっぱり別れたはずだったのに
数年間付き合った彼とは、何度か話し合いを重ねた末にきっぱりと別れることにした。
どちらが悪いというわけではなく、将来に対する考え方が根本的に合わなかった。むしろ早めに決断してよかったと思える別れだったし、後腐れもなかった。
別れを告げてから一週間ほど経ったある夜、私のスマートフォンに見覚えのない番号からの着信があった。出てみると、元彼の母親だった。
「なんで別れたの!かわいそうに」
「なんで別れたの。長く付き合ってたのに、こんなことって。うちの子、本当にかわいそうに」
出た瞬間からこの調子だった。息子のことが心配なのはわかる。でも私にはきちんとした理由があったし、それは元彼本人とも話し合ったことだった。
「私の話も聞いてもらえますか」と口を挟もうとしても、声が重なってしまう。一方的に責め立てられる電話は、なかなか終わらなかった。
「うちの子は何も悪くない」「あなたが突然決めたせいだ」。繰り返されるその言葉を、私はただ黙って聞くしかなかった。
電話を切れば角が立つ。かといって反論すれば長引く。どうすることもできないまま、時間だけが過ぎていった。受話器を持つ手が、じわじわと疲れてきた。
友達の一言が空気を変えた
幸いなことに、その夜は友達の家に遊びに来ていた。延々と続く電話を隣で聞いていた友達が、しばらくして静かに肩を叩いてきた。
「代わってあげようか?」
小声でそう言われたとき、正直、断る理由がなかった。私はスマートフォンを差し出した。
友達は落ち着いた声で、まず元彼の母親の話を少しだけ受け止めるように聞いた。それからはっきりと、こう伝えた。
「彼女にはもう次の方もいて、新しいお母さんになれる方に出会えそうだって、とても明るく話してましたよ」
電話口がしばらく静かになった。それから短いやり取りが数秒あって、通話が終わった。
スマートフォンを受け取ったとき、胸のつかえが一気にほどけていくのを感じた。事実かどうかよりも、「こちらはもう前に進んでいる」という空気が、あの一言に込められていた。そのことが電話越しにも伝わったのだと思う。
その後、元彼の母親から連絡が来ることは一度もなかった。
共通の知人を通じて「元彼が結婚したらしい」という話が耳に入ったこともあったが、私にはもう関係のないことだった。自分の気持ちがとっくに前へ向いていたから、その話を聞いてもさほど揺れることはなかった。
あの夜、友達がそばにいてくれてよかった。一人だったら、ひたすら黙って受話器を持ち続けるだけで終わっていたと思う。あの一言が、長電話のなかで溜まっていたものをきれいに吹き飛ばしてくれた。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
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