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「まあまあ〜」と何度交際を断っても迫る男。後日、親戚の名前を名乗って電話してきた

「まあまあ〜」で押し切ろうとした男性
五十代になると、若い頃には気にならなかったことが、むしろはっきり見えてくる。
あの出来事を今振り返っても、やっぱり気持ち悪かった、というしかない体験が私にはある。
当時、近所の知り合いを通じて、ある男性と顔を合わせる機会があった。
食事に行きましょう、付き合ってください、と声をかけてきた相手だ。
その頃、私にはすでに交際中の人がいたし、そもそも相手に好意も持っていなかった。
だから、はっきりと断った。
ところが、その男性はまったく引き下がらなかった。
「まあまあ〜」
何度断っても、そのひと言でのらりくらりとかわされてしまう。
こちらの気持ちをまともに受け取ってもらえない、というあの感覚は今も不快な記憶として残っている。
私の「嫌だ」が存在していないかのように扱われるのは、当時も今も理解できない。
それでも何とかその場をやり過ごし、距離を置こうとしていた。
電話番号は直接渡した覚えがないのに、いつの間にか向こうに知られていた。周囲の誰かから漏れてしまったのだろうと、そのときは思っていた。
知らない番号からの電話
ある日、見知らぬ電話番号から着信があった。
出ると、相手は私の親戚の名前を名乗った。
その親戚とは長らく連絡を取っていなかったこともあり、私は疑いなく話を続けた。
だが、会話を重ねるうちに、何か引っかかりはじめた。
話の中身が、親戚と共有しているはずの記憶と、どこかずれている。
細かい話題の知識がない。言葉のトーンも少しちがう。
直接確かめると、相手は少し間を置いてから答えた。
「いやいや、誰だか分からないよ」
その声で、気づいた。
食事も交際も断ったあの男性だった。
声も言い回しも、言われてみれば確かに一致していた。
人の親戚を名乗って電話をかけてくるとは、思ってもみなかった行動だ。
「誰だか分からない」という否定も、かえって奇妙だった。
名乗らずにかけてくること自体、何かを隠そうとしていた証拠ではないか。私は電話を切り、しばらくの間、受話器を持ったまま立ちすくんでいた。
解消されないまま残っているもの
その後、男性からの連絡は途絶えた。
改めて何か起こったわけでも、きちんと向き合った場面があったわけでもない。
何もなかったように終わった、というのが正確なところだ。
だからこそ、モヤモヤが残る。
断った相手がなぜ親戚を名乗って電話してきたのか、動機も謝罪も何もないまま、記憶だけが手元に残っている。
五十代になった今でも、あのときの気持ち悪さは言葉では上手く説明できない感覚として残っていて、時々ふと思い出す。
断る、という行為がこれほど通じないこともあるのだ、と知った体験だった。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、50代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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GLAM Lifestyle Editorial
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日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
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