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「今どこにいるか知ってるよ」別れたあとも連絡し続ける元恋人→偶然とは思えない場所で姿を見つけた瞬間に走る冷気

別れたあとも続いた、深夜の通知音
30代の私が、別れた直後の元恋人から執拗に連絡をされ続けた頃の話です。
交際を続けるのが難しいと判断して関係を終わらせたあと、彼の連絡は止まらなくなりました。むしろ別れる前よりも頻度が増えていったのです。
朝の通勤時間にも、お昼休みにも、夜中の二時三時にも、メッセージアプリの通知が立て続けに鳴ります。
内容は「もう一度会って話そう」「俺が悪かった」と、優しい言葉と詰問の中間にあるような文面でした。
電話の着信履歴も、一晩で二桁に届きそうな日が珍しくなかったのです。
このまま反応すれば終わらない予感がして、私は完全に無視を貫くことにしました。読みもせず、画面に通知が出るたびに左へ流して消すだけの日々です。それでも通知音は止まりませんでした。週を追うごとに、文面はゆるく執着寄りに変わっていきました。
そんなある夜、画面に浮かんだ一行を見たとき、指先がぴたりと止まりました。
「今どこにいるか知ってるよ」
たった一文です。優しい体裁も、未練の言い訳もない。背筋にすうっと冷たいものが落ちていきました。私はその夜、玄関の鍵をかけ直し、カーテンの隙間を念入りに閉じて眠ったのを覚えています。
偶然と呼ぶには近すぎる場所で、彼を見つけた日
その後も、メッセージはぽつぽつと届き続けました。返信はしません。
それでも、こちらの行動を匂わせるような短い一行が、忘れた頃にぽつりと混ざるのです。あの店、好きだったよね。そっちの方は寒くない?――内容は他愛なくても、一通ごとに胸の中に冷たい石が積み上がっていきました。
決定的だったのは、平日の夜、私が職場からの帰り道で寄ったコンビニのことです。
レジに並ぼうとして店内を見渡したそのとき、雑誌コーナーの前にいる男性の横顔と目が合いました。元恋人でした。
家から離れた場所で、ふだんなら絶対に通らない動線の店です。彼が偶然そこにいる確率を、頭の中で何度計算しても、答えは出ませんでした。
彼は私を見ても声をかけてはきませんでした。ただ、口角だけをわずかに動かし、私の存在を確認したという視線を残して雑誌に目を戻したのです。
レジを通す手が震えました。
家までの道のりを、振り返ることもできずに早足で歩きました。あの一文――今どこにいるか知ってるよ――が、生きた言葉として背中に貼りついた瞬間でした。
翌日、私は最寄りの警察署に相談へ向かい、メッセージのスクリーンショットを一括で渡しました。
引っ越しと連絡先の総入れ替えに踏み切ったのは、その週末です。今でも夜の住宅街で人影が動くたびに、息を一度止めてしまう癖が残っています。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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GLAM Lifestyle Editorial
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日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
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