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「俺は何もやってないよ」入浴中に何度も嫌がらせされていた→とぼけ顔の祖父に背筋が凍る

お風呂で感じたこと
40代の私は、5年前から実家で祖父と同居している。母が亡くなって独りになった父方の祖父を、放っておけないと引き取った形だった。
最初の数ヶ月は穏やかだった。歪みは、ある冬の夜から始まった。
仕事から帰り、お風呂に入ってた時のこと。
シャワーから出ていた湯が、突然キンと冷えた水に切り替わった。
給湯器が落ちたと気づくのに数秒かかった。
出しっぱなしにしていたわけでもないし、誰かが切ったとしか考えられない
家にいるのは私と祖父の二人だけ。
震えながら急いで服を着てリビングに行くと、祖父はテレビを見ながらご飯を食べていた。
「今、お風呂の電源切った?」
声を荒げないよう、抑えて聞いた。祖父はゆっくりこちらを向き、にこりとした。
「俺は何もやってないよ」
本当に何も心当たりがない、という顔だった。
証拠を掴めないまま積もる日常
その日から、似たことが何度も起きた。
シャワー中に髪を流している最中、狙い澄ましたように、湯が水に切り替わる。
季節が冬だったから、その冷たさは刃物のようだった。
そのたびに確認すると、電源は落ちている。
そして決まって、リビングに戻った祖父は穏やかな顔で「今日は寒いなあ」とこちらに話しかけてくる。
何事もなかったかのような口調で。
こちらが「またお風呂の電源が切られていた」と切り出しても、祖父は不思議そうに首を傾げる。
「え、そうだったか。最近物忘れが激しくて。すまんなあ」
毎回その答え。けれど、こちらが入浴を始めるまでは正気そのものなのだ。
監視カメラを設置するほどではない。けれど偶然と片付けるには多すぎる。
直接の証拠は、何ひとつ掴めない。
「物忘れ」と言われれば責められない。
「故意」と思っているのは私だけかもしれない、という疑念が、自分の感覚まで揺らがせていく。
夜、湯船に身を沈めるたび、背中の後ろが気になって肩の力が抜けない。
家族と暮らしているはずなのに、家の中に得体の知れない冷たい影が同居しているような感覚。
とぼけた笑顔で「俺は何もやってないよ」と繰り返す祖父の顔を思い出すたび、湯気の中で背筋がすっと冷える。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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GLAM Lifestyle Editorial
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日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
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