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「私、妊娠したの!」友人から届いた妊娠の報告。だが、私が素直に祝福出来なかった理由とは
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友人の妊娠と、私の現実
妊活を始めてから、しばらくが経っていた。
もともと妊娠しにくい体質で、病院に通いながら治療を続けていた。
そのことは、仲の良い友人には正直に話していた。
心配させたくないという気持ちより、知っていてほしいという気持ちの方が強かったから。
こんな状況の自分を、誰かに知ってほしかったのかもしれない。
治療は時間も体力も削っていたが、それよりも先が見えない不安の方がずっとこたえた。
「私、妊娠したの!」
その友人から、妊娠したと連絡が来た。
結婚してほどなくして授かったという。
報告はすぐに広がり、家族が主催する集まりでも友人は主役のように扱われた。気を遣われ、荷物を持ってもらい、みんなの視線が自然と彼女に集まった。
友人の家でのバーベキューにも呼ばれた。準備を手伝う友人の姿はなく、椅子に座ったまま周りに世話をされていた。
みんなが気遣う様子は当然だとわかっていた。
でも、その輪の中にいる自分がどこかちぐはぐで、ずっと少し遠い場所にいるような感覚があった。
決定的だったのは、何気ない会話の流れでエコー写真を見せられた時だった。
「おめでとうって言えなかった」
正確には、言葉は出た。
でも心がついていかなかった。祝福したい気持ちは本当にあった。
同時に、どうにもならない苦しさが込み上げてきて、笑顔を作るのが精一杯だった。
あの感情の正体
その後しばらく、気持ちの整理がつかなかった。
友人が悪いわけではない。それはわかっていた。でも、自分がみじめに感じる瞬間がどうしても消えなかった。
「このまま妊娠できなかったら、この友人とは距離を置いてしまうかもしれない」と思った。
友人を傷つけたいわけでも、嫌いになったわけでもない。ただ、一緒にいると自分が壊れてしまいそうな気がして。その考えが浮かんだことも、また苦しかった。
ありがたいことに、その後、私も妊娠することができた。
今になって振り返ると、あの時の感情は嫉妬だけではなかったと思う。「自分だけ取り残されていく」という恐怖だった。
仲の良い友人が先に進むことで、これまでの関係が変わってしまうかもしれないという不安。それが苦しさの大きな部分を占めていた。
誰かの幸せが、別の誰かを静かに苦しめることがある。そのことを、あの経験で初めてちゃんと理解した気がする。
友人を責めることも、自分を責めることも、今はしていない。ただ、あのモヤモヤは今もどこかに残っている。同じ立場にならなければわからない気持ちが、あの時たしかにあった。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
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