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「お前みたいな奴を出すんじゃなかった」海外出張の失敗で1時間説教された→翌日の現地で立場が逆転した瞬間

別室に呼び出された日
30代に入って数年、初めての海外出張で大きな失敗をしてしまいました。
先方への提示資料に致命的な抜けがあったのです。気づいたのは打ち合わせのあと、現地のオフィスに戻って書類を整理していた時でした。
胃の底が冷たくなる感覚を、今も忘れられません。
同行していた直属の課長は、すぐに別室に私を呼びつけました。
会議室の壁が、やけに近く感じられたのを覚えています。
そこから1時間、ひたすら説教が続いたのです。
「お前みたいな奴を出すんじゃなかった」
口を開けば、業務の話より人格の話でした。
私の物の見方、性格、生き方そのものを否定するような言葉が、次々と飛んできます。
書類のミス自体は確かに私の責任です。
けれど話の中身は、いつのまにかそこから離れていきました。
「だからお前は信用できないんだよ」
パワハラに当たるような表現も含まれていました。
けれど、現地で頭を下げる側の立場では、ただ黙って聞くしかなかったのです。窓の外で日が傾き、ようやく解放された頃には、足元がふらついていました。
翌日、現地で起きたこと
翌朝、別件で先方の担当者と再び面会する予定が組まれていました。
今日こそは課長の采配で進むはず。
私は資料の準備係として、後ろに控えていたんです。
ところが、話を聞いていた先方の表情が、途中から明らかに険しくなりました。
課長が前日に交わしたはずの合意事項を、まるで違う内容で説明していたのです。
数字も期日も、ところどころ食い違っていました。
「これは管理者の責任ですね」
現地担当者が、静かにそう告げました。
「ご自身の確認不足だと思います」
1時間どころでは済まない、丁寧で容赦のない指摘が続きました。
前日まであれほど威勢のよかった課長の声が、しだいに小さくなっていくのが、隣で聞いていてもわかったのです。
立場が入れ替わった瞬間
会議室を出る頃、課長は誰とも目を合わせませんでした。前日と同じ廊下を歩きながら、私は不思議と冷静でした。
(人格を否定する暇があったら、自分の確認をすればよかったのに)
そう思った時、胸の奥がすっと軽くなったんです。
あの1時間で受けた言葉の傷が、消えたわけではありません。けれど、現地担当者の落ち着いた声が、確かに私の代わりに何かを言ってくれた気がしました。
帰りの便の中、課長は最後まで黙ったままでした。
30代の海外出張は、思いがけない形で立場が入れ替わった出来事として、今も鮮明に残っています。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、30代・男性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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GLAM Lifestyle Editorial
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日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
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