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「最近のお父さんはオムツ変えるんだ、偉いね」義実家でぼそりと呟いた義母→当たり前のはずの育児に残った感情

義実家のリビングで起きた小さな出来事
休日の昼下がり、子どもを連れて義実家を訪ねたときのこと。お茶を出してもらってひと息ついた頃、子どもがぐずり始めました。
オムツの時間です。
普段、家ではあまりオムツ替えをしない夫が、その日に限ってひょいと立ち上がったんです。
「俺がやるよ」
少し驚きながらも、ありがたいなと思って任せました。
子どもをマットの上に寝かせ、慣れない手つきでテープを外す夫。
そばに座っていた義母は、じっとその様子を見つめていました。
湯呑みからふわりと立ち上る湯気の向こうで、義母の目元がやわらかく緩んでいるのが見えます。
テレビの音が小さく流れるなか、ふと義母がぼそりと呟いたんです。
「最近のお父さんはオムツ変えるんだ、偉いね」
悪気のない、しみじみとした口ぶりでした。
けれど私は、湯呑みを持ち上げかけた手を止めて、義母の横顔を見ました。
「偉いね」の一言に残った違和感
自分の子どものオムツを替えること。
それは、どうしてそんなに偉いことなんだろう。義母の言葉の調子は責めているわけではなくて、むしろ嬉しそうですらありました。
だから余計に、心にじわりと違和感が広がっていきました。
育児は、母親だけのものじゃない。
今の時代はそういう前提で、私も夫も結婚前から話し合ってきたはずです。
それなのに、義母の世代では男性がオムツを替えるだけで「偉い」のひと言で評価されてしまう。
なぜ「やって当たり前」じゃないのか。
たぶん義母には悪気はなくて、自分が子育てしてきた頃の景色をそのまま今に重ねているだけなのだろうな、とも思いました。
そして、もうひとつ気になることがありました。隣で胸を張るように作業を続ける、夫の様子。
家ではほとんど替えないくせに、義母の前ではこれ見よがしに堂々と取り組んでいる。
褒められて満更でもない、そんな表情がはっきり見えました。普段は替えないことを義母は知らないからこそ、優しい一言が彼の手柄になっていく。それが、なんとも釈然としなかったんです。
「ありがとうね」
義母の声に、私は曖昧に微笑んで返しました。
本当は、笑い返すこともしたくなかった。
けれど波風を立てる場面でもありません。お義母さん、いつも家でやってくれているわけじゃないんですよ、と心の中だけで小さくつぶやきました。
帰り道、子どもの寝顔を見ながら助手席で考えていました。世代の違いを責めるつもりはない。けれど、家庭のなかの当たり前は、私と夫の手で更新していくしかないんだと、静かに腹をくくる一日になったのです。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
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