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「チームの成果だから」最終報告で企画を上司に丸ごと持っていかれた30代→後日伝えた本音にも軽くあしらわれたモヤモヤ
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「チームの成果だから」最終報告で企画を上司に丸ごと持っていかれた30代→後日伝えた本音にも軽くあしらわれたモヤモヤ
何度も練り直した企画書
前職で新規企画を任された時、私はとにかく嬉しかった。
資料の構成も、想定される質問への回答も、夜遅くまで何度も練り直したのです。
同じ部署のメンバーには進捗を共有していたものの、骨子を組み立てたのも、データを揃えたのも、文言を整えたのもほとんど自分一人。
土日も家で資料を開き、グラフの色味まで気を配りました。
直属の課長には節目で相談していたけれど、修正指示は数行のコメント程度。
それでも私は「上司の最終確認が入った企画」だと思って、誇らしい気持ちで報告日を迎えたんです。
会議室には役員も並び、空気はピリッと張り詰めていました。手のひらに薄く汗をにじませながら、私はパソコンを開きます。
「では、ご報告します」
口火を切ったのは、私ではなく直属の課長でした。スクリーンに映る私の資料を、まるで自分が組み立てたかのように説明し始めたのです。
「この企画の狙いは、まずここにあります」
力強い口ぶり。役員の目線が、すべて課長に集まっていきました。
後から伝えた本音
「ここの数字に注目していただきたいのですが」
課長は淡々と続けます。私の名前は一度も出ません。質問にも当然のように自分で答え、頷きながらメモを取る役員を見渡していきました。
私は隣で資料を繰る役にまわったまま、口を挟むタイミングを失っていきました。
会議室を出る頃には、企画はすっかり課長の手柄として認識されている空気だったのです。
仕事自体が評価されたのは嬉しい。
でも、自分の頑張りが正しく伝わっていない違和感が、胸の奥でずっとくすぶっていました。
数日後、思いきって課長に伝えました。
「一言くらい、私の名前を出していただきたかったです」
返ってきたのは、想像以上に軽い反応でした。
「いやいや」
「チームの成果だから」
そう言って、課長はもう次の話題に移ろうとしていました。
私の声は、彼の中ではほとんど引っかからなかったのだと、その横顔で分かってしまったのです。
その後、仕事への熱量は確かに少し下がっていきました。誰かのために一晩練り直すような気持ちは、もう簡単には湧いてこなかったんです。
同期に話してみても、返ってくる言葉は決まっていました。「会社ってそういうものだよ」「腐ったらダメだよ」。正論なのは分かっています。
それでも、頑張りを見ていてくれた人は確かにいたはずなのに、報告の場では誰の口からも私の名前が出なかった事実は、しばらく胸の真ん中に居座り続けたのです。
形に残る成果が一つできたのは、間違いなく自分の手柄。そう自分に言い聞かせながら、私はゆっくり次の企画書を開きました。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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