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「そんなことも知らないんだ」と私のことを嘲笑い続けた半同棲の元彼→別れた私が仕掛けた小さな仕返し
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小さく刺してくる嘲笑い
付き合って半年が過ぎた頃、彼はうちにほとんど住み着いていた。最初は楽しかったはずなのに、毎晩のように小さな棘が刺さるようになった。
テレビの政治ニュースを観ていた時のこと。私が用語の意味を聞いただけで、彼は鼻で笑った。
「そんなことも知らないんだ」
家事の段取りを相談しても、調味料の銘柄を選んでいても、知らない芸能人の名前を聞き返しても、同じ顔で同じ声が飛んでくる。
「今までどうやって生きてきたの笑」
冗談を装って、こちらだけを下に置く言い方。
指摘するとすぐ「冗談じゃん」とはぐらかされる。気づけば私は、彼の前で意見を言うのをやめていた。
洗い物の流し方ひとつ、洗濯物のたたみ方ひとつ、彼の中の正解からズレていると、必ず鼻で笑う声が降ってきた。
家事は私がほとんど引き受けていたのに、評価される側はいつも自分だった。
休日に二人で部屋にいても、心の奥はずっと一人だった。隣で笑っている彼の声が、いつのまにか一番疲れる音になっていた。
緑の絨毯を玄関に
限界が来た夜、私はメッセージアプリで一行だけ送った。
別れたいと。
返事は短く、わかった、とだけ。
荷物は時間がある時に後日取りに来てね、と返してその週末から動き出した。
まず家具の位置を全部入れ替えた。
ソファの向きも、ベッドの足元も、テレビ台も。二人で買った写真立ては全て箱にしまった。
彼が「絶対緑がいい」と押し切って選んだ絨毯は剥がして、買い替えたシンプルなベージュに敷き直す。
男物のマグカップを目立つ場所に置いて、新しい誰かの気配だけそっと残した。
古い緑の絨毯は丸めて、大きなゴミ袋にぎゅっと押し込んだ。
すぐに処分するつもりはなかった。
玄関の、扉を開けたら一番に目に入る場所に、わざと置いておきたかった。
(あなたが選んだ色、もう私の部屋にはないからね)
翌日、彼は私が仕事で家を空けている時間を狙って荷物を取りに来た。
鍵を返しておく、というメッセージだけが残されていた。模様替えのことも、玄関の緑のゴミ袋についても、ひとことも触れられていなかった。
そして、それきり連絡は途絶えた。あれから音沙汰は一度もない。
さんざん下に見てきた相手の部屋が、自分の痕跡ごときれいに消えていた光景に、何かを察したのかもしれない。
ざまぁみろ、と私は静かに思った。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、20代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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GLAM Lifestyle Editorial
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日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
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