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「ごめんなさい」改札で振った告白してきた友達→翌日SNSで一部始終を晒していた他人の投稿に残る感情

ライブ終わりの改札で告げられた一言
約10年前のことです。同じアーティストを応援する集まりで知り合った同年代の男性友達と、その日もライブ会場で一緒に盛り上がっていました。
終演後の高揚感のまま、最寄り駅の改札に向かって流れる人波に混じって歩いていたのです。
ICカードをかざして改札を抜けた瞬間、彼が私の前に回り込んで立ち止まりました。
「ちょっとだけ、いい?」
真剣な声でした。周りには同じライブ帰りの人たちが何百人と行き交っています。
彼はその場で、私への気持ちを真っ直ぐ伝えてきたのです。
正直、彼は友達としては好きでも、恋愛対象として見たことは一度もありませんでした。
生理的にも、どうしても受け入れられないタイプだったのです。
私は深呼吸をひとつしてから、はっきりと答えました。
「ごめんなさい」
彼は黙って頷き、それだけで二人はその場で別れました。気まずさはあっても、その時はただ「言いにくいことを言われて、ちゃんと断れた」と思っていたのです。
翌日タイムラインに流れてきた他人の投稿
異変に気づいたのは、翌日の昼です。何気なくSNSのおすすめ欄をスクロールしていると、知らないアカウントの投稿が目に飛び込んできました。
「昨日◯◯駅の改札で、男の子が女の子に告白して振られてた」
「女の子が『ごめんなさい』ってはっきり言っててすごい」
続きにはコーディネートの特徴、彼の声の調子、私の表情、断った瞬間の二人の間に流れた沈黙の長さまで、かなり細かく書かれていたのです。
書き込みには、何百件ものコメントがぶら下がっていました。
(これ、私のことだ)
背中がゾワッとしました。
明らかに当日の現場にいた誰かが、流れていく人波の中で立ち止まって眺めて、わざわざスマホで打ち込んでアップしたのです。
振った私が悪者みたいに書かれているわけではありませんでした。
むしろ「振られた男の子が可哀想」「女の子もちゃんと真っ直ぐ断ってて偉い」というコメントが大半だったのです。それでも気持ちは沈んでいきました。
知らない人に、勝手に自分の人生の一場面を切り取られて、コンテンツとして消費されている。彼が勇気を振り絞って伝えてくれた気持ちも、私の真剣な拒絶も、誰かの暇つぶしの投稿に変換されてしまっていたのです。
知らない人たちが「女の子はもうちょっと優しく断ってあげても」と二次創作のように盛り上がっていました。
削除依頼を出すべきか、迷ったまま結局何もできませんでした。10年経った今でも、あのとき感じた説明しにくい気持ち悪さだけが、胸の中に残っています。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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GLAM Lifestyle Editorial
編集部
日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
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