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「おい、いつまで待たせるんだよ!」とレジで凄む客。店員の笑顔の一言で客が沈黙した理由

ピクリとも動かないレジ列と、背後からのプレッシャー
仕事帰りに立ち寄ったスーパーでのこと。夕食用の惣菜を選んでレジの列についた私は、ただならぬ空気を感じ取っていました。
その元凶は、一番前で会計をしているお客さんでした。
カートには特売の品々がこれでもかと積まれており、おまけに小銭を出すのにも四苦八苦している様子で、レジの列は完全に停滞していたのです。
「ハズレの列に並んじゃったな」
私は内心でぼやきつつ、スマートフォンを取り出して暇を潰そうとしました。
ところが、私の後ろに並んでいた人物は、私のように悠長に待つ気はなかったようです。
「チッ……!」
背後から聞こえてきたのは、耳障りでこれ見よがしな大きな舌打ちでした。
店員さんの笑顔が炸裂した、見事な切り返し
思わず後ろを振り返ると、そこには眉間にくっきりとシワを寄せた男性が立っていました。
「おい、いつまで待たせるんだよ!」
男性は、前の客や店員にわざと聞こえるような大きな声で、苛立ちをぶつけます。
周りにいた他のお客さんたちも何事かと視線を向け、レジ周辺の空気は一瞬にして凍りつきました。
焦りを募らせた先頭のお客さんは、慌てて財布から小銭をばら撒いてしまい、余計にパニックに陥ってしまいます。このままでは一触即発の事態になるかもしれないと、私も身を硬くしました。
まさにその時でした。
レジの店員さんがふと手を止め、後ろで文句を垂れる男性に向かって、輝くような笑顔を向けたのです。
「長らくお待たせしてしまい、誠に申し訳ございません」
深々と頭を下げる店員さん。クレーマーの圧力に屈してしまったのかと思った次の瞬間、彼女の口から予想外のセリフが飛び出しました。
「ですが、ここで確認を怠りますと、かえってお客様に多大なご迷惑をおかけしてしまいますので」
声のトーンはあくまでも柔らかく、そして明るいものでした。
しかし、その言葉の裏には「正確に会計するためには必要な時間なのです」という、プロとしての揺るぎないプライドが込められていたのです。
「急いでミスをしてはいけないから待っていてください」という正論を、ここまでトゲを作らず、それでいて一切の反論を許さない形で伝えてくるとは。
「あ……いや……」
図星を突かれた男性は明らかにたじろぎ、バツが悪そうに目を泳がせながら、すっかり黙り込んでしまいました。
たった一つの言葉で、張り詰めた空気を和ませ、理不尽な怒りをシャットアウトしてしまった神対応。
彼女の素晴らしい言葉のチョイスと度胸に、私は心の中で盛大な拍手を送らずにはいられませんでした。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、30代・男性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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GLAM Lifestyle Editorial
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日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
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