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「先輩の仕事って楽そうですよね?」後輩の一言をうけ管理業務の一覧を全部見せた→1年後に届いた詫びの言葉

「先輩の仕事って楽そうですよね?」後輩の一言をうけ管理業務の一覧を全部見せた→1年後に届いた詫びの言葉
パソコンの前に座る私への一言
その日、配属されて2年目の後輩が、私のデスクに資料を届けに来ました。
受け取ってお礼を言うと、彼女は私の手元のモニターをちらりと覗き込み、ふっと軽い口調で言ったんです。
「先輩の仕事って楽そうですよね?」
言われた瞬間、私はキーボードを打つ手を止めて、思わず彼女の顔を見上げてしまいました。
確かに、その時の私はパソコンの前で書類のチェックをしていただけ。
彼女には、ただ画面とにらめっこしている人にしか映らなかったのかもしれません。
けれど、私の業務は部署の管理職としての全般作業です。
資金の管理、生産計画の調整、定例の会議、人材育成、新人研修のカリキュラム作成と、現場からは見えにくい仕事ばかりが積み上がっていました。
(怒るより、知ってもらった方が早いかもしれない)
そう思い直した私は、笑顔で椅子を引いて、「じゃあ少し見てみる?」と彼女を自分の隣に呼び寄せたのでした。
スケジュール表を全部めくった瞬間
私は、その日の朝から夕方までのスケジュール表を、彼女の前にゆっくりと広げて見せました。
会議3件、面談2件、研修資料の最終確認、月次の数字のチェック、来期の人員計画、外部とのやり取り。
続けて、机の引き出しから過去半年分の業務記録を出し、新しく入った社員一人ひとりの育成シートも、順番にめくって見せていきます。
「これが、私が今、抱えている仕事の全部だよ」
彼女の表情は、見るみるうちにこわばっていきました。
最後には、小さな声で「ありがとうございました」と言って、自席に戻っていったのです。
それから1年。彼女は新しい後輩を持ち、自分の担当範囲が広がるなかで、少しずつ表情に責任感を滲ませるようになりました。
そんなある朝、彼女が改まった様子で、私のデスクの前にすっと立ったのです。
「先輩、昔、私酷いこと言いましたよね…」
1年かけて自分の業務に向き合い、ようやく管理職の仕事の重さに気づいてくれたのでしょう。
素直に頭を下げる彼女の肩は、心なしか少し震えていました。
聞けば、最近彼女自身も新人の指導を任されるようになり、見えない仕事の山に足元をすくわれそうになっているのだそうです。
「あの時、先輩が私の言葉を笑い飛ばさずに、ちゃんと中身を見せてくれたから」
そう続ける彼女に、私はもう何も付け足しませんでした。
あの日見せた一覧の手間は決して無駄じゃなかったと、心の底から胸がすく思いがしたのでした。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
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