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「キャバ嬢じゃないと交際は認めない」彼の母から告げられた一言→違和感の正体に気づき逃げたワケ

交際3か月で、空気がふっと変わった瞬間
学生の頃に付き合っていた彼は、最初の数か月、私が知っているなかでいちばん優しい人でした。
講義の合間に大学の中庭で待ち合わせ、帰り道はいつも手を繋いでくれて。
そんな彼の様子が変わったのは、交際3か月目の些細な喧嘩のときです。
原因は待ち合わせに私が10分ほど遅れただけ。合流した彼の表情はいつもと別人のようでした。
私の腕を強くつかみ、駅前の片隅で低い声で何かをまくし立てる。空気が一気に重くなったことだけは、はっきり残っています。
(この人、こういう顔もするんだ)
翌日、彼はけろっとした顔で両手にお菓子を抱えて謝ってきました。涙ぐむ彼を見て、私は許してしまいます。
けれど、それから喧嘩のたびに同じパターンが繰り返されていきました。
空気が一変する瞬間、別人のように感じる瞬間、そして翌日の謝罪。許さなければ怖い気がして、私は毎回うなずくしかなかったのです。
彼のお母さんに会った日と、決意した夜
付き合って半年ほど経った頃、彼のお母さんに会う機会がありました。
夜のお店を経営しているという彼女は、待ち合わせのカフェに、ひと目で華やかと分かる装いでやってきました。
私の顔をひととおり眺めて、ふっと笑った彼女の第一声は、いまでも忘れられません。
「キャバ嬢じゃないと交際は認めない」
冗談めかした口ぶりでしたが、目はまったく笑っていませんでした。
息子の彼女は、自分のお店で働ける子じゃないと駄目。
お店に入る気はあるのか、何歳までに働き始める気か。
値踏みするような視線が、テーブル越しに次々と飛んできました。
隣に座った彼は、止めるどころか「母さんの言うことを聞けばいいから」と私の手をぽんと叩いただけ。
あのときの彼の顔は、お店ではいつも見せていた優しい顔ではありませんでした。
(この親子は、わたしを「人」として見ていない)
頭の芯が、すうっと冷たくなりました。
喧嘩のあとの謝罪と仲直りに、私はずっとほだされていただけ。
怖くて許していたのではなく、許さないと逃がしてもらえないから許していただけなのだと、お母さんの一言で目が覚めたのです。
その夜、私は実家に戻り、家族にすべてを話しました。連絡先はすべて変え、共通の友人にも事情を伝えて、新しい連絡網を急いで作り直します。
数週間、知らない番号からの着信が続きました。それでも、家族と友人がそばで支えてくれて、私は一度もボタンを押しませんでした。
あれから数年。いま私は、当時とはまったく違うやさしい人と穏やかに過ごしています。
「キャバ嬢じゃないと認めない」と笑われたあの夜が、結果として私を扉の外に押し出してくれたのだと、今ならはっきり言えるのです。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、20代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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GLAM Lifestyle Editorial
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日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
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