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「好きな人ができた」と告げた彼女の相手が元彼だと知った時、半年間待ち続けた自分が情けなかった

変わっていった、あの頃の日常
付き合いはじめた頃の二年間は、穏やかだった。
週に一度か二度、食事をして映画を観て、特別なことは何もないが居心地のいい時間が続いていた。
この歳になって新しい出会いがあることを、少し嬉しく思っていた。
変化に気づいたのは、付き合って二年を過ぎた頃だった。
彼女から「最近、仕事が立て込んでいて」という言葉が増え、会う回数が減っていった。
最初は気にしなかった。仕事が忙しくなることは誰にでもある。私も同じ経験をしてきた。
しかし、一週間が二週間になり、一ヶ月が経ってもその状況は変わらなかった。連絡は届くものの、会おうとすると必ず何か理由がついた。
さすがに、これはおかしいと感じはじめた。
「どうしても会って話したい」が届かなかった
「どうしても会って話したい」と伝えた。
しかし彼女は「今は会えない」の一点張りだった。電話でも、チャットアプリでも、話を切り上げることはしない。ただ会うことだけを、頑なに拒んだ。
(何かを隠している。でも、確かめる手段がない)
五十代になってから、こういう局面で焦らなくなった自分がいる。
若い頃なら問い詰めていたかもしれない。でもその頃の私には、ただ待つことしかできなかった。
毎週のように「今週は?」と送り、毎週のように「もう少し待って」と返ってくる。
待ちながら、「きっと仕事が一段落すれば元に戻る」と自分に言い聞かせていた。
それが半年続いた。
電話で聞いた、ひとつの事実
ある夜、電話で話すことになった。彼女はひと呼吸おいてから、静かに言った。
「好きな人ができた」
言葉の意味を理解するのに、少し時間がかかった。
そうか、そういうことだったのかと、頭の中で静かに整理した。動揺はあった。でもそれよりも、腑に落ちた感覚のほうが先に来た。
「誰なの」と聞いた。答えたくなさそうな間があって、彼女は言った。昔付き合っていた人だと。
胸の中で何かが沈んだ。
他の誰かならまだ違う受け止め方があったかもしれない。
でも元の交際相手というのは、つまり、半年前から気持ちが戻っていたということだ。その間ずっと、私は何も知らずに待っていたことになる。
「そうか」と言うほかなかった。半年分の時間が、静かに、胸の奥に刺さったまま抜けなかった。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、50代・男性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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GLAM Lifestyle Editorial
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日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
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