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「相続は相続。私も半分貰う権利がある」祖父亡き後に現れた伯母→父が建てた家を主張した血筋に走った冷気

勝手に書き換えられていた家の名義
40代になった私の父は、自営業を祖父と二人で切り盛りしていました。
事務手続きの多くは祖父と一緒に進めていたため、印鑑も書類のやり取りも、家族の中ではかなりおおらかに任されていたのです。
父が自分のお金で家を建てたとき、その手続きの一部にも祖父が同行していました。
その頃の祖父は、すでに半分ほど認知症が始まっていました。それでも本人は気持ちのうえでは家長のつもりで、事業のことも家のことも自分が仕切っているという意識が抜けなかったのだと思います。
家を建てて3年ほど経ったある日のことです。父が登記の確認をしていて、信じられないことに気づきました。建てた家の名義が、祖父のものになっていたのです。1円も出していないはずの祖父の名前が、堂々とそこに記されていました。
「親父、いつの間にこんな事を」
父は怒鳴るような声を出しました。家族で相談し税理士に相談すると、こう助言されたのです。
「今ここで名義を正すよりも、お祖父さんが亡くなるまで待って、家の価値が下がったところで相続という形を取ったほうが、税金はぐっと少なくなりますよ」
10年越しに現れた伯母の本性
その方針で家族は腹を決め、それから10年ほど、誰も触れずに静かに待ちました。
やがて祖父が亡くなったとき、葬儀のあとに登場したのが、ふだんはほとんど顔を出さなかった父の姉、つまり私の伯母でした。
家の経緯を父が一通り説明し、これは父が自分のお金で建てた家であることを丁寧に伝えると、伯母は最後までうなずきもせず、こう切り返してきたのです。
「相続は相続。私も半分貰う権利がある」
家を建てたのは父だ、祖父は1円も出していない。その事実をどれだけ説明しても、彼女は同じ言葉を繰り返すだけでした。
形のうえで祖父の名義になっていた、ただそれだけの事実を盾に、半分の金額を堂々と要求してくる声には、ためらいも遠慮もありません。
(祖父の血が、こんな形でこの人にも流れているのか)
私は背筋がすうっと冷たくなりました。半分認知症の祖父が無自覚に名義を書き換えた図太さと、それを当然のように利用して半分を主張する伯母の顔つきが、私の中でぴたりと重なってしまったのです。
最終的に、家族はその場の感情で押し切られず、専門家に間に入ってもらいました。
法的に冷静に整理してもらった結果、伯母にお金を渡さずに済んだのです。それでも、この祖父にしてこの伯母なのかと、いまでもその夜の伯母の声を思い出すたび、首の後ろがひやりとします。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本記事はアンケートによる個人の体験談を元に構成しています。法的な見解や正確性を保証するものではありませんので、実際のトラブルの際は専門家にご相談ください。
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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