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「パチンコ行ってた」結婚前の発起人会に2時間遅刻して現れた義父→借金保証人を断り家を出た私たちが建てた家

夕方6時、新郎の父が来ない発起人会
結婚を控えた頃、両家の発起人を務めてくださる方々をお招きする集まりが、夕方6時から地元の小さな料理屋で開かれることになっていました。
夫の父、つまり義父は新郎の父として最初の挨拶に立ってくれる約束でした。仕事先からまっすぐ向かうから、と本人もうなずいていたのです。
ところが6時になっても義父は現れません。15分が経ち、30分が過ぎても、店の引き戸はことりとも動かない。集まってくださった発起人の方々が顔を見合わせ、私と夫は何度も頭を下げました。
「先に始めましょうか」
仕方なく挨拶を切り上げて杯を交わし、料理が一品、また一品と運ばれてくる頃には、なんとも言えない気まずい空気が席を覆っていました。義母は青い顔で携帯を握りしめ、何度かけても夫から返事が返ってこないと小さく息を吐いていました。
夫はテーブルの下でぐっと拳を握りしめ、私はそんな夫の横顔を見ながら「これから家族になる人たちに、どう謝ればいいんだろう」と頭を下げ続けていました。
のうのうと放たれた一言と、家を建てた日
義父がようやく顔を出したのは、もうお開きにしようかという8時前。お酒の入った発起人さんたちの目は、すっかり冷めていました。
「パチンコ行ってた」
のうのうと、誰にともなく告げる義父。場の全員がドン引きしたまま、誰も言葉を返せませんでした。私はあの夜の沈黙を、いまでも思い出します。
その後の結婚生活でも、義父の本性は次々と露わになっていきました。約束をちっとも守らない、人付き合いが続かない、ギャンブルだけは欠かさない。義母にどれだけ迷惑をかけているのか、見ているだけで胸が痛む日々でした。
挙げ句の果てに、ある日、義父が借金の保証人になれと夫に詰め寄ってきたのです。
「実印を出せよ」
命令口調のその言葉で、私の堪忍袋の尾はぷつりと切れました。夫と娘と3人で、その家を出ることを決めたのはその夜のことです。
飛び出した私たちに、義父は捨てゼリフを残したそうです。
「どうせパチンコ屋の寝泊まりで働くしかないだろ」
けれど私たちは一生懸命に働きました。共働きで子どもを育て、家計簿を毎晩つけ、ボーナスをこつこつ積み上げて、ついには自分たちの家を建てることができたのです。引き渡しの日、玄関の鍵を握りしめた夫の手は静かに震えていました。
振り返ると、あの理不尽な義父のおかげで私たちは強くなれたのかもしれません。あの一言がなければ、ここまで歯を食いしばって働き続けてはいなかったでしょう。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、60代以上・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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