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「ご注文お決まりの方から先にどうぞ」並んでいる客の注文の仕方に気分を害した。これは私が間違えているのだろうか

「ご注文お決まりの方から先にどうぞ」並んでいる客の注文の仕方に気分を害した。これは私が間違えているのだろうか
ランチ前の小さな楽しみに向かった列
午後の予定が詰まっているとわかっている日ほど、ランチ前の一杯が心のゆとりになる。
私がよく立ち寄るのは、オフィス街の路地にある小さなカフェだ。
季節ごとに変わる手書きメニューが壁に貼られていて、それを眺めるのも楽しみのひとつだった。
その日の目当ては、春限定のキャラメルラテだった。
先週から気になっていたが、並ぶ余裕がなくて買えずにいた。
ようやくタイミングが合って、昼の混雑が始まる少し前に店の前に立てた。
先客は1人だけ。
私の前に並んでいた30代くらいの女性で、スマホを手にして何かを真剣に見ていた。
仕事の連絡だろうか、それとも注文を考えているのだろうか。メニューボードとスマホを交互に見るわけでもなく、ただじっと画面に目を落としたままだった。
私は静かにその後ろで待った。
しばらくして店員が「いらっしゃいませ」と声をかけたが、前の女性は反応しなかった。また少し間があって、店員が今度は私のほうを向いて言った。
「ご注文お決まりの方から先にどうぞ」
その言葉は、前の女性ではなく、明らかに私に向けられていた。
狙っていた一杯が、するりと消えた
「あ、えっと」と私が口を開いた瞬間、前の女性がスマホから顔を上げて「あ、私がいいですか」と言った。
店員は「どうぞ」と笑顔で受け入れた。
前の女性は迷うことなく「キャラメルラテを」と注文した。
店員はカップを用意しながら「お次の方はいかがですか」と私に声をかけた。
「お待たせしました」という一言はなかった。
私は気を取り直して注文し、受け取って店を出た。
でも、どこかモヤモヤしたまま歩いていた。
整理してみると、私が引っかかったのはいくつかある。もともと前にいた女性が先に注文すること自体は、おかしくはない。
ただ、店員が「ご注文お決まりの方から」と言ったとき、それは実質的に私の順番を飛ばす形になった。
そして前の女性がそれに乗じて注文したとき、店員から私への「少しお待ちくださいね」という一言はなかった。
前の女性がスマホを見ていた理由も、最後まで分からなかった。
注文を決めていなかったのか、それとも注文は決まっていてタイミングを見ていたのか。あのスマホの画面に、何が映っていたのだろう。
自分でもモヤモヤの原因がはっきりしないのが、一番の胸のつかえだった。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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