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「君みたいに穏やかな性格だと付き合えないな」同窓会で隣に座った元同級生の男→帰り道に残った嫌な気持ち

「君みたいに穏やかな性格だと付き合えないな」同窓会で隣に座った元同級生の男→帰り道に残った嫌な気持ち
座って数分で踏み込んできた質問
久しぶりに開かれた中学時代の同窓会。会場に着いて、丸テーブルの空いていた席に座ったところ、隣に同じクラスだった男性が腰を下ろした。顔を見て、お互いに「久しぶりだね」と笑い合った。
近況をひととおり交換し終わったあたりで、相手の口調が少し変わった。グラスを傾けながら、ふいに踏み込んできた。
「ねぇ、君、付き合ったことあるの?」
私はとっさに言葉を選んだ。突然プライベートに踏み込まれて、なんと答えていいか迷った。少し笑って、軽く返した。
「そんなにモテないですから」
場をやわらげるつもりだった。けれど相手は、グラスを置いて、口角を片方だけ上げた。「フッ」と短く笑う音が、妙にはっきり耳に残った。
どの面で言ってるの
続けて、相手は言った。
「君みたいに穏やかな性格だと付き合えないな」
言葉の意味を、頭の中で何度かなぞった。
穏やかな性格だと、付き合えない。私のことを心配してくれているのか、それとも単に値踏みされているのか。一瞬、判断がつかなかった。
ただ、相手の表情には、こちらを少し見下ろすような余裕があった。久しぶりに会った同級生に向ける顔ではなかった。私は曖昧にうなずいて、グラスを口に運んだ。返す言葉が、その場では浮かばなかった。
(どの面で言ってるの)
そう思いながら、笑顔だけは崩さなかった。
会の終わり際、駅まで歩く途中で、その一言が何度もよみがえった。
学生の頃、特別仲が良かったわけでもない。社会人としての今の私を、ほとんど知らないはずの相手だった。それでも、断定するように言われた。
その夜、家に帰ってからも、しばらく気持ちが落ち着かなかった。怒るほどでもない、聞き流すには引っかかる、ちょうど中間の温度で残り続けた。あの席に座らなければ、こんなふうに考えなくて済んだのに。久しぶりの再会に、こんな後味がついてくるとは思わなかった。
翌日になっても、引っかかりはほどけなかった。仕事の合間、ふとした拍子に、あの「フッ」という笑い声が頭の中で再生された。穏やかな性格だと付き合えない。その断定が、誰の経験を根拠にしているのか、最後までわからなかった。
同じテーブルにいた女性の元同級生に、後日メッセージを送ろうか一瞬迷ったが、結局やめた。相手にとっては酔った勢いの軽口かもしれない。私だけが考え込むのが間抜けに思えてきた。次に同窓会の案内が届いたとしても、もうあの席に座ることはないだろう。それだけは、自分の中で静かに決めた。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
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